国際情勢 河野防衛相「中国は軍事力を急速に強化」 / 北朝鮮・総参謀長「戦略兵器開発に適用」/ 米大学生母親と横田早紀江さん、北朝鮮の人権侵害を訴え
中東を訪れている河野防衛大臣は、中国を名指しして「透明性を欠いたまま軍事力を急速に強化させている」と懸念を示しました。
「中国が透明性を欠いたまま、核・ミサイル能力を含む軍事力を急速に強化させていることを懸念している」(河野太郎防衛相)
河野防衛大臣は、中東のカタールで開かれている外交・安全保障に関する国際会議に日本の防衛大臣として初めて出席。スピーチで中国を名指しし、急速な軍事力強化について懸念を示すとともに、「法の支配を貫徹する必要がある」と述べ、東シナ海、南シナ海への海洋進出を強める中国をけん制しました。
また、「北朝鮮による核・ミサイル開発は日本の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」だとして、国際社会が一致団結して国連安保理決議を履行することの必要性を強調しました。
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北朝鮮・総参謀長「戦略兵器開発に適用」
北朝鮮が13日に行ったとする「重大な実験」について、朝鮮人民軍総参謀長は14日夜、談話を発表し、実験の成果が新たな「戦略兵器」に用いられると述べました。
朝鮮人民軍の朴正天(パク・ジョンチョン)総参謀長は、北西部の衛星発射場で、13日に行ったとする実験について、アメリカの核の脅威に対抗するための「さらなる戦略兵器の開発に適用される」と主張。「我々は巨大な力を備蓄した」と述べました。
北朝鮮が自らアメリカとの「交渉期限」とする年末が迫るなか、談話は、「敵対勢力はわれわれを刺激する言動を控えてこそ、年末を安らかに過ごすことができる」と強調。その一方で、「我々は、対話にも対決にも不慣れであってはならない」と述べ、対話の可能性も示しています。
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COP25、“合意なき閉幕”の可能性も
気候変動対策を話し合う国連の会議=COP25は、2日にわたって会期を延長し交渉が続いていますが、主要な議題で合意できないまま閉幕する可能性も出ています。
「ついに2日目の延長に入りましたが、意見の隔たりは埋まらず、協議は引き続き行われます」(記者)
スペインで開かれているCOP25は、議長国のチリが、来年から始まる温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に向けて、温室効果ガスの削減目標の引き上げを促す決議案を示しました。しかし、目標達成を義務づけるかどうかなどで、折り合いがつかず、交渉は難航していて、主要な議題について合意できないまま閉幕する可能性も出ています。
「私たちが合意に達しなければ、皆の期待に応えることができない」(議長国チリ シュミット環境相)
議長国チリは決議案を再検討し事態の打開を目指しますが、各国が妥協点を見いだせるかは予断を許さない状況です。
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米大学生母親と横田早紀江さん、北朝鮮の人権侵害を訴え
北朝鮮を旅行中に拘束され、昏睡状態で帰国し、死亡したアメリカ人大学生の母親と、横田早紀江さんが都内で会見し、北朝鮮の人権侵害を訴えました。
「オットーに何かされるのではと恐れて、(北朝鮮に対し)発言したり行動したりする勇気がなかった。でも最初から立ち上がるべきだったと悔やんでいます。だからこそ今、発言すべきだと」(オットー・ワームビアさんの母 シンディさん)
アメリカ人大学生、オットー・ワームビアさん(当時22)は2016年、北朝鮮を旅行中に拘束され、およそ1年半後の解放時には昏睡状態で、アメリカ帰国後に死亡しました。14日、「北朝鮮の人権侵害を啓発する週間」の政府主催シンポジウムに出席した母・シンディ・ワームビアさんは、横田めぐみさんの母・早紀江さんとともにこう訴えました。
「私たちは母親同士で、子どもに全てをささげてきたんです」(シンディ・ワームビアさん)
「自分の通ってきた道と同じような思いで日々を過ごして来られたのだろうと思いますので、一緒になって頑張らなくちゃと」(横田早紀江さん)
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