岡山 被災者支援の在り方岡山で考える 弁護士、官民協働の必要性訴え


 西日本豪雨で被災した人たちの支援の在り方を考えるシンポジウム(岡山弁護士会主催)が26日、岡山市内で開かれた。災害関連法に詳しい津久井進弁護士(日弁連災害復興支援委員長)と今田健太郎弁護士(広島弁護士会)が既存制度を見直し、個々の被災状況に応じたきめ細かな支援を官民協働で進める必要性を訴えた。

 津久井弁護士は、自然災害で住宅が被災した世帯に最大300万円を支給する「被災者生活再建支援制度」について、被害程度が半壊や一部損壊だと支援対象から外れる規定を問題視。全国で自然災害が相次ぐ中、対象拡大を求める声が多くの自治体から上がっている現状に触れ「半壊や一部損壊も復旧費用は多大だ。被災者を切り捨てるのではなく、いかに救うかという発想で制度設計をすべきだ」と指摘した。

 今田弁護士は自治体と弁護士、司法書士、社会福祉士ら専門家が連携し、一人一人の実情に合わせた支援を展開する「災害ケースマネジメント」の重要性を強調。就労支援や心のケアなど必要な対応は多岐にわたるとし「いざという時に迅速な支援が行えるよう、日頃から関係者で対応を綿密に協議しておくことが大切だ」と述べた。

 岡山県内で被災者支援に携わるNPO法人の職員や弁護士らの活動報告もあった。市民約50人が聴講した。