国際情勢 “新型コロナウイルス”対応、武漢市長「情報公開が遅れた」/武漢からのチャーター機での帰国、29日以降になる見通し /新型肺炎、北京で初の死者




 感染の拡大が続く新型コロナウイルスによる肺炎について、最初に症例が確認された湖北省武漢市の市長が初動の情報公開が遅れたことを認めました。

 武漢市の周先旺市長は27日、中国国営の中央テレビのインタビューのなかで肺炎について「情報公開が遅れた」と不備があったことを認めました。その上で、「地方政府として情報を得ても権限が与えられなければ公表することができない」とも述べ、中央政府からの許可が得られなかったことを示唆するような発言もありました。

 新型コロナウイルスによる肺炎をめぐっては、武漢市当局の情報提供の遅れによって感染が拡大したとの指摘がされています。

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武漢からのチャーター機での帰国、29日以降になる見通し

 新型コロナウイルスの感染拡大を巡って、在留する日本人を退避させるため政府が28日午前に中国・武漢市に派遣する予定だった民間のチャーター機について派遣がキャンセルされたことが分かりました。

 中国側との調整がつかなかったことが理由だということです。武漢に滞在する日本人の帰国は29日以降になる見通しです。

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新型肺炎、北京で初の死者

 感染が拡大している新型コロナウイルスによる肺炎について、中国・北京市で男性が死亡したことが明らかになりました。北京で死者が出るのはこれが初めてです。

 北京の衛生当局によりますと、死亡したのは北京の50歳の男性です。男性は今月8日からおよそ1週間、湖北省武漢市に滞在した後、発熱し受診。22日、病院で新型コロナウイルスによる肺炎と診断され治療を受けていましたが、27日に容体が悪化し呼吸不全のため死亡したということです。

 北京で今回の肺炎による死者が出るのは初めてで、これまでの死者は合わせて82人になりました。感染は各地で拡大していて、27日にはカンボジアでも初の感染者が確認されています。
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新型肺炎情報


今回の新型コロナウイルスどういう症状があり、感染力はどれくらいあるのか。
WHO=世界保健機関によりますと、今回の新型コロナウイルスに感染して発症すると、発熱やせき、それに息苦しさや、呼吸困難といった呼吸器の症状が出て、重症化した場合、肺炎を引き起こしたり、腎臓の機能が低下したりして、死亡することもあるとしています。
また、武漢の病院の医師などの研究グループの論文によりますと、感染が始まった初期に入院した患者41人を調べたところ、発熱やせきなどのほか、筋肉痛や倦怠感の症状もみられ、一部の患者は頭痛や下痢などもあったということです。
中国の保健当局は、一部の患者では体温がほぼ平熱など、症状が軽いことが比較的多く、感染の有無の見分けが付かないため、予防対策が難しいとしています。
また、感染してから症状が出るまでの潜伏期間について、比較的症状が軽い患者ではおよそ10日前後で、最も短いと1日、最長で14日で発症しているとしていますが、潜伏期間でもまわりに感染させることがあるとしています。
致死率は3%から4%程度と考えられていますが、WHOは感染の拡大はまだ続いていて、正確な致死率や、どれぐらい重症化しやすいかなどはよくわかっていないとしています。


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アフガニスタンで米軍機墜落

 アメリカ軍は27日、アフガニスタン東部のガズニ州でアメリカ軍の飛行機が墜落したと明らかにしました。

 アメリカ軍は27日の声明で墜落したのはアメリカ軍のボンバルディア機で、原因は調査中だと明らかにしました。ただ、敵の攻撃によって撃墜された兆候はないとしています。

 また、エスパー国防長官は27日、次のように述べました。

 「状況は把握している。現時点でこれ以上報告することはない。我々の分析が進展すればメディアに発表する」(エスパー国防長官)

 一方、アフガニスタンの反政府武装勢力「タリバン」はアメリカ軍の飛行機を1機撃墜し、搭乗していた複数の軍関係者が死亡したとの声明を発表しています。

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ロシア外務省、日本人記者 一時拘束を明かす

 去年12月、ロシアで日本人記者が「ロシア軍の機密情報を入手しようとしていた」という理由で拘束されていたことが明らかになりました。記者はロシアを離れるよう警告を受けすでに日本に帰国しています。

 これは、ロシア外務省が27日明らかにしたもので、去年12月25日、極東ウラジオストクで地元当局がジャーナリストビザを持っていた日本人を拘束しました。

 理由については「ロシア軍の機密情報を入手しようとしていた」からだとしていて、72時間以内にロシアを離れるよう警告したということです。ロシア外務省はモスクワの日本大使館員を呼び抗議をしたとしています。
 一時拘束されたのは共同通信社の記者で共同通信社は、この記者についてウラジオストクの当局に5時間ほど拘束され、事情聴取を受けた際に出国を求められて翌日、日本に帰国したと説明。その上で「通常の取材活動だった」としています。
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解放から75年 アウシュビッツ強制収容所で追悼

 第2次世界大戦中にナチスドイツが110万人以上を虐殺したアウシュビッツ強制収容所が解放されて75年の節目を迎え、現地で追悼式典が行われました。

 現地27日夕方からアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所で開かれた式典にはポーランド、ドイツ、イスラエルなどの関係国のほか、アメリカなど各国の首脳や要人が出席しました。

 第2次大戦中に、ナチス・ドイツが設置したアウシュビッツ強制収容所は1945年1月27日にソ連軍により解放されるまでおよそ130万人が移送されました。

 収容所に送られた人々はガス室などで虐殺されるか苛烈な強制労働を強いられ、亡くなった110万人のうち9割はユダヤ人でした。

 式典にはおよそ200人の生存者が出席しましたが、多くが高齢化しており、20世紀最悪の悲劇を継承していくことが今後の課題となっています。

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