タイヤ事故で営業所長を不起訴 (数学教師の夢絶たれ 岡山大(教育学部)の同級生悲痛)


 3年前、津山市の高速道路で、運送会社の大型トラックがスペアタイヤを落下させ、これをきっかけに親子2人が死亡した事故で、業務上過失致死の疑いで書類送検された運送会社の当時の営業所長について、岡山地方検察庁は「タイヤの落下を予見するのは困難だった」として不起訴処分としました。

平成29年10月、津山市の中国自動車道で、運送会社の大型トラックが落下させたスペアタイヤに、大型トレーラーが乗り上げて路肩に突っ込み、広島市の中村美香さん(49)と長女の亜美さん(21)が死亡しました。
警察は、スペアタイヤがさびて落下するリスクなどを踏まえた、点検や整備を怠ったことが事故につながったとして、去年、大型トラックを運行していた広島県の運送会社の松江営業所の当時の所長(49)を、業務上過失致死の疑いで書類送検しましたが、岡山地方検察庁は18日付けで不起訴処分としました。
事故当時、スペアタイヤの固定状況を点検する法的な義務はなく、捜査の焦点はさびによって落下することを予見できたかどうかでした。
検察庁は、専門家による鑑定などを行った結果「予見するのは困難で、刑事責任は問えない」と判断しました。
この事故では、トラックとトレーラーの運転手も過失運転致死の疑いで書類送検されていましたが、いずれも不起訴処分となりました。

不起訴処分を受けて、事故で妻と娘を亡くした中村真彦さんは、弁護士を通じてコメントを出しました。
この中で中村さんは「頭が真っ白になり、何も考えることができない状況です。誰にも刑事責任はないと言われても、そのことをそのまま妻と娘に報告することはできません。失ったものが大きすぎます」などと心情を記しています。
今後については「弁護士と相談して考えていきたい」としています。


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