都市封鎖(ロックダウン)は、日本の法律上可能か。


新型インフルエンザ特措法上は、緊急事態宣言をしたとしても、外出自粛の「要請」はできますが、既に法律に基づかない「外出自粛要請」がすでに乱発されており、それとの違いはほとんどなく、特措法では要請を超える「指示」や「命令」はできません。
しかし、特措法以外に都市封鎖できる可能性のある法律があります。感染症法第33条です。
第33条 都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため緊急の必要があると認める場合であって、消毒により難いときは、政令で定める基準に従い、72時間以内の期間を定めて、当該感染症の患者がいる場所その他当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある場所の交通を制限し、又は遮断することができる。
都道府県知事は、最長72時間、交通制限ができます。違反者には50万円以下の罰金が科されます。
3月11日の内閣委員会で、質問しました。
後藤「イタリア・ロンバルディア州のような交通制限は、特措法上、緊急事態宣言をした後でもできないということでよいか」
西村大臣「政令改正して(感染症法33条を新型コロナウイルス感染症の適用対象として)入れれば可能となります」
後藤「やるつもりあるんですか」
大臣「現時点では考えておりませんが、専門家の意見を聞いて適切に判断していきたいと考えております」
このやり取りは、
https://www.youtube.com/watch?v=82039wunyFo
の1:54:00ぐらいから是非ご覧ください。通告しているのに西村大臣は答弁場所から突然自席に戻って確認するなどあたふたしています。
私は特措法ではできませんよねと聞いているだけで感染症法33条を特定して聞いていないのに、西村大臣はわざわざ33条を持ち出して答弁しています。
この感染症法33条を適用可能とする政令改正が、3月26日(木)に突然改正され、本日3月27日から施行されております。この政令改正は見ただけではほとんどだれも理解できないような条文で、形式的なプレス発表はされているものの、これが都市封鎖(ロックアウト)の根拠になりうるような報道はなされていません。3月27日の報道ステーションの野村弁護士もわざわざこの政令改正を紹介したのにこれが都市封鎖の根拠となりうるような解説はしていませんでした。TBSニュース23でも、都市封鎖は可能かとのテーマについて「(外出については)要請のみ」との解説がなされています(写真)。
政令改正は閣議決定する必要があるので、閣議のある火曜か金曜に通常行われるのですが、3月25日に小池都知事が安倍総理に要請した翌日の3月26日(木曜)に突然改正されたのは、それだけ緊急性が高く、かつ実際に実施される可能性が高いのではないかと推察します。かつ、特措法とは別の感染症法の規定なので、緊急事態宣言がなくても知事の判断で本日3月27日より適用可能です。
感染爆発(オーバーシュート)が起きた場合、これを封じ込める方法は都市封鎖しか方法はありません。33条の条文の書き方からすれば拡大適用かもしれませんが、都市封鎖は多くの先進国ですでに実施されており、真に必要な状況に至った場合には、最終手段として発動する可能性は残しておくべきではないかと個人的には考えます。
緊急事態宣言ばかりが騒がれますが、この感染症法第33条を適用して都市封鎖を実施するかどうかの方が、より深刻な問題です。
ほとんど誰も知らぬまま、本日3月27日、政府部内の方を除きおそらく誰も知らないまま、都市封鎖が解釈次第で実行可能となっているかもしれないことは世の中に知らせるべきと思い、私の見解とともに記しておきます。

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止まらぬ感染拡大 きのう全国で169人確認 新型コロナ

各地の自治体によりますと、29日の1日の感染確認は全国で169人で、28日の200人に次ぐ人数でした。

空港の検疫で見つかった人やチャーター機で帰国した人なども含めて日本で感染が確認された人は、1893人。

このほか▽クルーズ船の乗客・乗員が712人で、あわせると2605人となっています。

また、29日新たに東京都の90代の男性の死亡が発表され、死者数は、国内で感染した人が56人、クルーズ船の乗船者が10人のあわせて66人となりました。

日本で感染が確認された1893人のうち、
▽東京都は430人、
▽大阪府は208人、
▽北海道は175人、
▽愛知県は167人、
▽千葉県は158人、
▽兵庫県は133人、
▽神奈川県は125人、
▽埼玉県は84人、
▽京都府は47人、
▽新潟県は31人、
▽大分県は28人、
▽福岡県は26人、
▽岐阜県は20人、
▽群馬県は18人、
▽和歌山県は17人、
▽茨城県は16人、
▽高知県は14人、
▽福井県は13人、
▽栃木県は12人、
▽熊本県は12人、
▽奈良県は11人、
▽石川県は9人、
▽三重県は9人、
▽長野県は8人、
▽沖縄県は8人、
▽青森県は7人、
▽滋賀県は6人、
▽広島県は6人、
▽山口県は6人、
▽秋田県は4人、
▽宮城県は4人、
▽山梨県は4人、
▽静岡県は4人、
▽愛媛県は4人、
▽岡山県は3人、
▽宮崎県は3人、
▽福島県は2人、
▽長崎県は2人、
▽徳島県は1人、
▽香川県は1人、
▽佐賀県は1人、
▽鹿児島県は1人、
▽中国からチャーター機で帰国した人が14人、
▽厚生労働省の職員や検疫官、それに空港の検疫で感染が確認された人などがあわせて41人です。

また、厚生労働省によりますと、重症者は今月27日の時点で国内で感染した人などが56人、クルーズ船の乗船者が9人のあわせて65人となっています。

一方、今月27日までに症状が改善して退院した人などは国内で感染した人などが372人、クルーズ船の乗客乗員が603人で、あわせて975人となっています。 

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