岡山県がPCR検査の態勢拡充 4月中旬から1日70件に
岡山県内で新型コロナウイルスの感染者が相次ぎ、PCR検査の需要が急増する中、県は、検査機器を保有する県内の医療機関などの協力を得て、今月中旬にも1日の検査可能件数を現在の約40件から少なくとも70件程度にまで拡充する。濃厚接触者も含めて感染の有無を迅速に調べて、感染拡大の防止を図る。
県内で唯一検査できる県環境保健センター(岡山市南区内尾)の3月の検査人数は、高知県で感染が確認された倉敷市の男性の同僚を含めた11日の33人を除き1日10人以下の日が多かった。しかし、県内で感染が初確認された22日の翌日以降、保健所や医療機関からの検査依頼が急激に増え、2人目の感染が判明した27日は34人、同様に感染者が確認された31日が20人、4月1日と2日が各25人などとなった。
同センターは、検査の精度を高める狙いで、できる限り1人につき喉の粘液とたんから2種類の検体を採取して調べているため、件数はさらに膨らむ。通常、午前と午後に20検体ずつする検査を夜間も含めて行っており、「既に限界に近い」(県生活衛生課)という。
県は、検査ニーズの高まりを想定して以前から県内の医療・検査機関に協力を求めており、機材や試薬の調達など態勢を整えた県内の3施設と近く検査の委託契約を結ぶ予定。クラスター(感染者集団)の発生などで、さらに検査件数が増えるようであれば、中国5県で締結した協定に基づいて他県にも支援を要請するという。
県は併せて、検査の保険適用を受け、県内の医療機関が民間機関に直接、検査依頼できるようにする態勢も急ピッチで整えている。県保健福祉部は「検査の必要性は今後ますます高まる。態勢の拡充などを進めながら、感染の拡大防止に全力で取り組みたい」としている。
コメント