岡山の「特別な夏」(これっきり サマー)  猛暑直撃、観光地閑散… コロナ禍、異例ずくめの夏総決算 


  新型コロナウイルス禍の中で迎えた今年の夏―。マスク着用など感染対策を強いられているところに記録的な猛暑が直撃した。外出自粛の動きが広がり、観光地や宿泊施設は閑散とした。異例ずくめの夏を総決算する。

【気象・熱中症】高梁で22日連続猛暑日

 今夏は長雨から一転、連日の酷暑に見舞われた。

 梅雨期間(6月10日〜7月29日)は、岡山県内の観測全16地点の降水量がおおむね平年の1・5〜1・8倍を記録。7月の日照時間は平年の40〜59%、梅雨明けも平年より9日遅かったが、8月に入ると各地で猛烈な暑さとなった。

 特に高梁市では、30日まで猛暑日(最高気温35度以上)が22日間続き、連続日数の県内最長(2013年の17日連続)を更新しただけでなく、全国最長に並んだ。21日には県内の観測史上最高気温タイの39・3度まで上がった。

 8月は降水量が少なく、倉敷、玉野市は降雨の基準となる「0・5ミリ以上」を観測した日が29日までゼロ。岡山市も1日だけと、全域で少雨となった。

 この暑さで、県内では熱中症の疑いで搬送される人が急増。国の統計(週単位)によると、8月以降は毎週100人を超え、3日からの3週間では計613人。うち高齢者は387人で3分の2近くを占めた。週ごとに搬送者数が増え、直近の1週間(17〜23日)は281人と、前の週を93人上回った。

 今夏の国統計がある6月1日以降、県内では倉敷市の80代女性と岡山市の60代男性が熱中症で亡くなった。

【観光・レジャー】外出自粛人出伸びず

 県内では7月以降に再び新型コロナの感染が拡大。外出自粛の動きもあって、観光・宿泊の人出や客足は伸びなかった。

 岡山市の後楽園は6、7月の来園者数が前年同期比約6割減と低迷。8月は「夏の幻想庭園」で同3割減までは盛り返すという。倉敷市の美観地区では、8月25日に大原美術館が約4カ月半ぶりに再開したが、人数制限などにより、初日の入館者は182人と前年同月のピーク日の1割弱だった。

 宿泊施設のダメージも続く。真庭市の湯原温泉にある約20の旅館では、6月の宿泊客が前年同期の約半数。7月下旬に政府の観光支援事業「Go To トラベル」が始まったものの、湯原町旅館協同組合は「秋の行楽期に向けた団体予約もほとんど入らず、先が見えない」とこぼす。

 海開きの中止など夏のレジャーが制約される中、人気を集めたのは屋外キャンプ場。真庭市の蒜山高原キャンプ場は、昨夏を千人ほど上回る約4800人の家族連れらが訪れた。

 一方、お盆期間の帰省ラッシュも様変わり。JRの新幹線と在来線特急の乗車人数は前年比約77%の大幅減で、JR岡山駅で混雑はなかった。県内高速道路も同じで、西日本高速道路中国支社によると、同期間に5キロ以上の渋滞は1回(前年14回)のみだった。

【学校・行事】夏休み大幅に短縮

 県内の多くの学校は、新型コロナの感染拡大で春に臨時休校しており、学習の遅れを取り戻すため夏休みを短縮。県立学校は、中高が9日間(8月8〜16日)、特別支援学校が16日間(同8〜23日)といずれも当初予定の43日間から大幅に短くなった。市町村立小中も、休校期間が長かった県南部を中心に大半が短縮し、授業時間を確保した。

 部活動にも影響し、県高校総体や県中学総体などの大会が相次いで中止された。代替大会は7〜8月、高校が硬式野球やバドミントンなど24競技であり、中学は県内6地区のうち備前西、備南東、備南西、美作の4地区で開催された。

 イベントでは、岡山市中心部で8月に予定されていた「うらじゃ」のほか、各地の花火大会が取りやめとなった。一方、岡山、笠岡市などでは花火製造業者らが時間や場所を事前告知しない「サプライズ花火」を企画。地元住民を元気づけた。

 8月に岡山市の後楽園と岡山城を舞台にした「夏の幻想庭園」「夏の烏城灯源郷」は、会場に消毒液を設けるなどコロナ対策を徹底しての開催となった。

【小売り】エアコン販売急増

 家電量販店のビックカメラ岡山駅前店(岡山市)は8月中旬、エアコンの売り上げが前年同期の2倍に急増した。省エネ性能や換気機能が優れた高額機種が好調。担当者は「急激に暑くなり、短期集中で動いた。1人10万円の特別定額給付金の効果も大きかった」と言う。

 ホームセンターのタイム(同)では、テントやバーベキューセットといったキャンプ用品が3倍の売れ行き。家の外壁や車をきれいにする高圧洗浄機や、子ども向けビニールプールも2倍前後に達し、「新型コロナにより自宅で過ごす時間が多かったため」(同社)とみる。

 百貨店は新型コロナで来店客が減少。天満屋(同)の岡山、倉敷、津山店と岡山高島屋(同)は、6〜8月の入店客が前年の約8割にとどまった。ビアガーデンも団体利用が低調。中元は店頭での注文は減ったが、感染リスクの低いインターネット販売が伸びた。天満屋は「お盆の帰省を自粛する代わりに贈り物を選ぶケースが多かったのでは」とする。

【農作物】不作や生育遅れ目立つ

 長雨や日照不足による不作や生育の遅れが目立った。

 特産の白桃は水分を多く吸って種が割れ、落果につながる「核割れ」などが発生した。「通常は7〜8割の正品率が半分以下になった生産者もいた」とJA全農おかやまの担当者。今年の流通量は平年より2割ほど少なくなる見通しという。

 野菜も品不足が続き、価格が高騰した。岡山市中央卸売市場の荷受会社・岡山丸果によると、7月下旬はタマネギやバレイショ、ニンジンの取引価格が例年の2倍に上昇。お盆が明けて一大産地の北海道産が出回った品目は値を下げたものの、「今度は一転しての酷暑で秋野菜の作付けが遅れ気味。再び影響が出るかもしれない」と懸念する。

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岡山 コロナ禍で迎えた2020年…異例の夏を振り返る


8月31日で8月も終わりです。コロナ禍に連日続いた記録的な猛暑。異例ずくめとなった2020年の夏を振り返ります。

(まちの人は・・・)
(60代女性)「どこも行っていないので1か月振りに外へでた」
(大学生)「レポートばっかり、1年生だが本当ならどんな大学生活だったのかな」
(大学生)「うらじゃや夏祭りがなくて寂しかった」

コロナ禍で迎えた2020年は異例の夏となりました。

本来ならば観光地はかき入れ時ですが、岡山県によりますと7月、後楽園などの備前エリアを訪れた人の数は、前の年の約半分に減ったほか全体でも2019年の同じ月の70.5%となりました。

イベントの中止も相次ぎ、夏の風物詩うらじゃは初の中止に。
県内全ての海水浴場で海開きが中止になるなど「寂しい夏」となりました。
お盆期間の混雑も2020年は様子が違いました。JR岡山駅を発着する新幹線の利用客数は前の年に比べて77%減り、過去最低となりました。

(高校生は)
「短い・・・」

子供たちにとっては「短い夏」でした。多くの学校は臨時休校による授業の遅れを取り戻すため夏休みを短縮。特に県立学校は9日間と、当初の予定から大幅に短くなりました。

影響は部活動にも・・・

感染拡大の影響でインターハイや甲子園は中止に。
それでも7月から8月にかけて各競技で代替大会が開かれ3年生が「最後の夏」を戦いました。
      
(まちの人は・・・)
「暑かった」
「マスクが暑い」
     
また、2020年は猛暑の夏でもありました。高梁市が猛暑日の連続日数で日本最長を更新したほか、岡山市や高松市など岡山・香川の16地点で8月、猛暑日の最多記録を更新しました。

コロナ禍に記録的な猛暑と異例ずくめとなった2020年の夏。

まちの多くの人から聞かれたのはこんな声でした。

(まちの人は)
(10代大学生)「早く静まって欲しい」
(60代会社員)「コロナが収まって早く元通りに」
(30代会社員)「海外旅行もいけず仕事も負担になって早く普通の生活に戻って欲しい」
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