全国の重症者583人、過去最多を更新 /  人の移動 と ワクチン と 経済的影響
12月14日 重傷者 死者数image0


  全国で猛威をふるう新型コロナウイルス。厚生労働省は13日、重症者が過去最多の583人になったと発表しました。新規感染者は国内で2397人にのぼっています。

 厚生労働省によりますと、全国で入院している患者のうち、重症者の数は全国で583人となり、12日の発表から5人増えて過去最多となっています。
 一方、JNNのまとめで、13日は国内で新たに2397人の感染が報告されています。
内訳は、東京で480人、大阪で308人、愛知で181人、北海道で164人などとなっていて、岡山では一日としては過去最多の38人の感染が確認されています。

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経済的影響
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マスク、手洗いとも80%以上が励行 家庭内感染には危機感薄く(新型コロナ対策の認知度調査)
対策の推移 view

11月にこの言葉「いつでもマスク」政治家って何?L


 冬になり寒さと乾燥が進むにつれて、新型コロナウイルス感染症の患者が各地で増加している。欧州各国だけでなく、日本でも「第3波」が猛威を振るう。ワクチンや治療薬の開発は進んでいるが、一般への普及にはまだ時間が必要だ。日本感染症学会と日本感染環境学会が行った感染症予防策に関する意識調査では、「手洗い」や「マスクの使用」をしているとの回答が80%を超え、「手指の消毒」も今年3月の前回調査より大きく増加した。ただ、専門家は家庭内感染に対する危機感の薄さを問題点として挙げている。

 ◇増える予防行動
 調査は2020年10月、首都圏の20~60歳代の男女200人を対象にインターネットで実施。日常生活の中で感染症予防として「手洗い」に取り組んでいるとの回答が前回3月の83.5%から87.7%へと引き続き高水準にある一方、「マスクの使用」は59.3%から87.4%に急増。「手の消毒」も31.9%から65.%へと大幅に上昇した。

 さらに「3密回避」の啓発の影響からか、「人混みに近づかない」も31.6%から55.3%に増加した。

 ◇会食のリスクは軽視

日常生活でマスク着用は当たり前に

 一方で、それぞれの対策の重要性の「認識」については、問題点も見えてきた。「公共交通機関に乗る際にはマスクをする」ことが大切とした回答は82.1%。「帰宅後すぐに手洗いをする」も81.1%だったが、「マスクをしていても3密の場所に行かない」は69.0%、「家族以外と会食をしない」は44.0%にとどまった。

 この点について東京大学医科学研究所の四柳宏教授は、マスクの使用や手洗いなど基本的な対策についても、「20%近くの人が『できれば守る方がいい』や『あまり気にしなくともよい』などと回答しており、対策の重要性が完全には浸透していないことが分かる」と話す。

 さらに、「家族以外との会食」が感染の大きなリスクになっているとの認識が回答の5割を下回ったことは深刻な問題だと言う。四柳教授は、奈良県の調査では1次感染の約68%が飲食の場で出ており、2次以降の感染の約83%が家庭や職場、学校などで生じていると指摘。会食に伴う感染拡大のリスクが十分に浸透していないと強調する。

 ◇家庭内感染の対策強化を
 家庭内感染が増加している原因は家族間の警戒感が強くないことにあると見られる。接触による感染への「警戒心が緩む」との回答は「別居している家族親族」が接触相手の場合で29.3%、「同居している家族親族」の場合で62.2%に上る。四柳教授は「今後の家庭内感染の拡大防止には、家族間での感染対策の強化が必要だ」と語る。
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コロナの“いま” 10の知識 厚労省がHP公開、ポイント押さえ予防を


 冬に向け、感染者の増加が止まらない新型コロナウイルス。厚生労働省は10月末から、予防のための基本情報や最新の状況をまとめた「新型コロナウイルス感染症の“いま”についての10の知識」をホームページ(HP)で公開している。この情報に最新のデータも加え、紹介する。ポイントをおさらいし、予防を徹底したい。 
コロナ 年齢別 リスク


◆国内の感染者
 11月29日現在、14万4653人(空港検疫、チャーター便帰国者を含む)。年代別では20代が最多。


◆重症化、致死率
 重症化や死亡の割合は高齢者で高く、若者は低い傾向=表。6〜8月に診断された人で、重症化し集中治療室に移るなどしたのは全体の約1.6%、死亡は約1%。


◆重症化しやすいのは
 高齢者と基礎疾患がある人。慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満はリスクが高い。妊婦や喫煙歴がある人も注意が必要とされる。


◆他の人に感染させる可能性がある期間
 発症2日前から発症後7〜10日間程度で、発症直前から直後は特にウイルスの排出量が高まるとされる。


◆感染者が他の人に感染させている割合
 2割以下。感染者がマスクを着ければ、接触した人が吸い込むウイルスの量は減る。人と接する時はマスク着用、体調が悪いなら外出を控える。


◆どう治療する
 軽症の場合は経過観察だけで自然に良くなる例が多い。必要なら解熱剤などで対症療法をする。呼吸不全を伴うと酸素投与やステロイド薬、抗ウイルス薬を投与。改善しなければ人工呼吸器などで集中治療をすることがある。治療法の確立で、重症化し入院した人で死亡するのは6月5日以前の19.4%に対し、同6日〜9月4日は10.1%。


◆感染拡大防止策
 主な経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染で3密が高リスク。図のような五つの場面には要注意。
コロナ 5つの場面

◆診断のための検査は
 主にPCR検査と抗原検査。鼻の奥のぬぐい液や唾液、鼻の入り口のぬぐい液で、体内にウイルスがあるかを調べる。抗体検査で分かるのは感染歴。


◆海外と比較すると
 10月下旬で見ると、米国やフランスなどの人口100万人当たりの新規感染者数は3桁台だが、日本は1桁台。ただ11月中旬以降は日本も2桁台と増加傾向。


◆ワクチンの現状
 国内外で多数の研究が進行中で、すでに臨床試験段階のものも。開発中のワクチンを投与した人の方が、投与していない人よりも発症した人が少なかったとの中間結果を発表した製薬会社もある。ただ、国内供給が計画される4社の海外ワクチンでは、接種後に接種部位の痛み、頭痛、倦怠(けんたい)感、筋肉痛などがみられたことが報告されている。有効性や安全性、副反応に関してはさらなる情報を待ち、確認する必要がある。


 10の知識は、厚労省HP内にある特設ページ「新型コロナウイルス感染症について」から。


新型コロナウイルス感染症について

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新型コロナ 何が正解なの? コロナ対策 ~感染制御の専門家に聞く~ ( 堀賢・順天堂大学大学院教授 )
(  バーベキューなど、野外なら安全ではない「三密」に注意!!  「マイクロ飛沫。飛距離は8メートルにも」)
新型コロナの感染 注意

堀賢・順天堂大学大学院教授
マイクロ飛沫 8m

飛沫が飛ぶ様子(堀賢教授提供)【時事通信社】

 新型コロナウイルスの猛威が続いています。1日の感染者数が全国で2000人を超える日もあり、第3波の襲来とも言われています。
 これからどうなるのか。不安の声がある中、どのように行動すればいいのか、戸惑う人も多いと思われます。そこで、感染制御の専門家で、明快な解説で知られる順天堂大学大学院教授の堀賢先生に、私たちができる対策について伺いました。(聞き手・本文 医師・海原純子)

新型コロナの感染 注意

新型コロナウイルスはどうやって感染するか(堀賢教授提供)【時事通信社】

 ――11月の第2週以降、感染者の急増に伴い、世の中の緊迫感が急に高まったように感じます。それまでは、春頃と比べて、かなり緩いなという雰囲気でした。

 春頃は、非常に強い緊張感が、社会全体を覆っていました。そこには、五つの要因があったと思います。

 一つは、新型コロナウイルスが全く未知のウイルスであったということ。二つ目は、PCRの検査体制も十分とはいえなかったこと。当時は1日300検体くらいしかできなかったですね。

 三つ目は、治療法が分からなかったこと。四つ目は、医療の受け入れ態勢が整備されていなかったこと。五つ目は、メディアで連日、あおるような報道がされたこと。それらが、社会的危機感を生んだのだと思います。

 これに対して、秋以降は「第2波の時は、ロックダウンもせずに、何とか乗り越えてきたじゃないか」という安堵感がある一方で、「コロナ疲れ」という感じも広がってきていました。緊張感が薄れていた感じですね。

 新型コロナウイルスは、潜伏期間が長く、きょうの行動の結果が2週間後に出るという状況ですから、感染の予測が立てにくく、「この様子なら、まあ大丈夫じゃないかな」という気持ちになっていたのでしょう。

 ◆コロナとの闘いは長丁場
マイクロ飛沫 8m

(図1)上=通常の飛沫。約1~2メートル飛んでいる。下=マイクロ飛沫。飛距離は8メートルにも(堀賢教授提供)【時事通信社】

 ――新型コロナは、経済にも大きな打撃を与えています。政府は、コロナ対策と経済の両立を目指していますが、そもそも、両立は可能なのでしょうか。

 コロナとの闘いは、長丁場と言われています。重症者や死亡者を増やさないように、行動変容を呼び掛け、医療のキャパシティーを増やしながら、経済を可能な限り回すという方針だと思います。

 今は状況を見ながら、ぎりぎりのところまで経済を動かすということでしょう。ただ、重症者の在院日数は長いですから、すぐにはベッドが空きません。

 重症者のベッドが逼迫(ひっぱく)した段階でブレーキを踏んでも、その後、2週間は重症患者が一定割合で増え続けますから、超過死亡※が出てくる恐れがあります。余裕を見ながら、早め早めの対応が必要です。

 ※超過死亡=統計などから予想される死者数を実際の死者数が上回る現象。パンデミックでは、急激な医療需要増で医療が受けられない人々が出たときに発生しやすい。

 ――医療体制も日々、状況が変化しています。地方によっては、医療崩壊が起こるリスクもあるのでしょうか。


 北海道などは、札幌市を中心に、すでに医療供給体制が逼迫してきています。また、流行が急激に拡大すると、スタッフや一般診療の患者が市中で感染し、院内に持ち込むケースが必然的に増えます。

 そうなると、院内クラスターが発生して、診療停止に追い込まれる医療機関が増えて、さらに医療崩壊のスピードが速まる可能性が高くなります。11月中旬以降の旭川市がその状態に陥っています。


◆マイクロ飛沫はすごく飛ぶ
コロナ禍 旅 対策

(図2)旅行関連の業界団体などで作った「新しい旅のエチケット」ポスター。この他、交通編、飲食編、宿泊編など、場面ごとの新エチケットを提案したバージョンがある(日本旅行業協会ホームぺージより)【時事通信社】

 ――これから乾燥がひどくなる季節です。でも、寒くて窓を開けるのが嫌で、換気も十分にできないことが増えそうです。この季節に気を付けたいポイントを教えてください。

 湿度が低い場合、飛沫が飛びやすく、漂う時間が長いということは、実験で分かっています。動物実験では、湿度が低い方が感染が拡大しやすいことが、確かめられています。ただ、それがそのまま、人間の感染拡大に当てはまるかどうかは、確認されていません。

 ウイルスは粒子ですから、意思を持っているわけではなく、冬になったことをウイルス自身が察知して、感染力を強くするわけではありません。ただ、ウイルスを運ぶ水滴の状態が変化して、感染力に変化を及ぼす可能性はあるかもしれません。

 新型コロナウイルスは、マイクロ飛沫という普通の飛沫より小さい粒子が、感染の拡大に関わっているとされています。(図1参照)

 飛沫は、感染者の口から飛び出した後、1~2メートルで自然落下して、これが人の目、鼻、口の粘膜に直接触れることで感染します。これに対し、マイクロ飛沫は、粒子が小さく、気流に乗って数十メートル先にも飛び、その先にいる人にエアロゾル感染を引き起こします。

 「3密」状態というのは、密閉、密集、密接な状態ですから、マイクロ飛沫が長時間漂う条件がそろっており、クラスターを引き起こしやすいと考えられています。

 ◆野外なら食事も安心?
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(図3)新型コロナウイルス感染症対策分科会が発信した「感染リスクの高まる5つの場面」(内閣官房ホームページより)【時事通信社】
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 ――感染予防対策ですが、施設によって、かなり差があると思います。飲食店だと、しゃべりながら食べている客に注意しない、できない管理者などが気になります。ハンバーガー店の密な状態で、大声で話しながら食べている若者とか。対策の徹底が大事なのに、行政は施設側に任せている状態です。

 難しいですね。店としては、やっと来てくれたお客に対して、注意しにくいですよね。しかも、自分もあまり詳しくは知らないことですので、反論されたら、引き下がるしかありません。

 むしろ、この件は、日本人の「他人に迷惑を掛けないようにする感性」を利用して、マナーやエチケットとして、国民共通のおしゃれなキャンペーンのようなもので解決を目指したらいいのではないでしょうか。

 旅行関係団体が作った「新しい旅のエチケット」(図2)のポスターは、嫌みもなく、なかなかよくできていますよね。

 ――感染予防対策も、企業によって、かなり格差があるのが気になります。

 よく観察すると、ポイントを外した対策をしている企業も、かなり多いですね。例えば、会社の喫煙室で、話しながら喫煙している場面では、空気清浄機によってウイルスが除去されたとしても、至近距離で会話をすることで、依然として飛沫を浴びていることになります。

 バーベキューなど、野外なら安全と考えている人がいます。野外では、風でマイクロ飛沫が希釈されたり、飛んで行ったりしたとしても、人の口から出た飛沫は、目の前の食べ物の上に落ちたりして、感染のリスクがあるんです。

 ――なぜ、そういうふうになってしまうのでしょうか。

 それは、分科会(新型コロナウイルス感染症対策分科会)が発信した「感染リスクの高まる5つの場面」(図3)を見れば、よく分かります。

 この絵は、「注意しましょう!」だけで終わってしまっていて、「だから、こうしましょう!」という発信がない。ですから、市井の人たちには「どうしたらいいのか」が十分、伝わってきません。そんなことでは納得できないから、行動変容が起きるわけないんです。

 納得していない人が、これまでの自分の行動を変えたりできますか。感染制御を専門にしている人たちは、政府の発信に、ちょっと歯がゆい思いを抱いています。


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堀 賢(ほり・さとし)


 順天堂大学大学院医学研究科感染制御科学教授、英国感染制御専門資格、ICD制度協議会感染制御ドクター。1991年順天堂大学卒業、95年同大学大学院修了、99年から英国ノッティンガム大学微生物・感染症学リサーチフェロー、2001年ロンドン大学衛生熱帯医学大学院修了。順天堂大学大学院感染制御科学講師を経て13年より現職。
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菅総理 GO TO ショット 2020-12-21



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