岡山 モロッコの漁業調査船引き渡し 三井E&S造船玉野で建造


 三井E&S造船玉野艦船工場(玉野市玉)で建造したモロッコ国立漁業研究所向けの海洋漁業調査船の引き渡し式が18日、同工場で開かれた。モロッコ沖合の大西洋で生態系の調査などに利用される。

 調査船は全長48・5メートル、幅11・8メートル、約1200総トン。魚群探知機や海底の地形、潮の流れを把握する最新鋭のレーダー機器を搭載するほか、魚を捕獲する漁業設備、研究室などを備える。魚が逃げないよう、エンジンやプロペラなどの騒音を抑える設計になっている。

 モロッコ政府は既存の調査船が老朽化したため、国際協力機構(JICA)を通じた円借款により船の更新を計画。豊田通商(名古屋市)が受注し、同工場で建造した。

 引き渡し式には関係者ら約40人が出席。同研究所のアブデルマレック・ファラジ所長がロープを切ると、くす玉やシャンパンの瓶が割れ、出席者が拍手で祝った。船は19日にモロッコに向けて出航し、順調にいけば来年1月下旬に到着する予定という。

 設計を担当した三井E&S造船の落隆行主管は「モロッコの水産業発展のために活躍してほしい」と話していた。


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最新装置などを搭載した海洋調査船を造船 アフリカ・モロッコの漁業を支援 岡山・玉野市

岡山県玉野市の三井E&S造船が、アフリカ・モロッコの漁業を支援する海洋調査船を造りました。気候変動などにより影響を受けている漁場を調査します。

 船は海底の状態を調べる最新装置なども搭載しています。

 この事業ではJICA・国際協力機構とモロッコの漁業研究所が53億7000万円の借款契約を締結しています。

(三井E&S造船 艦船建造部/小山修司 建造主任)
「海産物・海洋状況の調査ができるようになることで、良質な魚が安定的に取れるとか地域貢献にもつながれば」

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