イスラエル ファイザー製ワクチン、2回接種のイスラエル国民で有効性94%
【2月15日 AFP】米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、イスラエル最大の医療サービス大手は14日、2回の接種を終えた60万人を調べたところ94%の有効性が示されたと発表した。
クラリット・ヘルス・サービス(Clalit Health Services)によると、推奨されている2回の接種を終えた60万人と未接種の60万人を比較した画期的な調査で、「有症状の感染率が94%減少し、重症化率は92%減少した」という。「ワクチンの有効性は、70歳以上を含む全年齢層で変わりはなかった」としている。
人口900万人のイスラエルでは、既に380万人が1回目の接種を終え、240万人が2回の接種を完了してしている。政府は3月末までに17歳以上の国民全員の接種完了を目指している。
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ワクチンの予防効果、「実世界」でも94% イスラエルの研究
レイチェル・シュレア保健担当記者
新型コロナウイルスの米ファイザー製ワクチンについて、イスラエルは14日、発症を94%防ぐ効果があるとする研究結果を発表した。
ファイザーのワクチンが、大人数への接種でも、臨床試験(治験)と同様の効果をみせていることが示された。
公衆衛生医ハガイ・レヴィン教授は、すべての年齢層で発症と重症化の予防に高い効果が表れているとしている。
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「最も影響を受けやすいグループで接種率が高い」ことが重要だと、同教授は述べた。
重症化をほぼ完全に防ぐ
イスラエル最大の保健機構クラリットは、ワクチンを接種済みと未接種の60万人ずつに実施されたウイルス検査の結果を分析。
その結果、ワクチンを接種したグループでは、発症が94%少なかったという。両グループとも、年齢と健康状態に差が出ないように調整されていた。
今回の研究は、通常は症状が出た時や、陽性と判定された人と濃厚接触した時に受ける検査の結果に基づいている。
ファイザー製ワクチンは、重症化をほぼ完全に防いだという。
こうした結果はすべての年齢層でみられた。治験ではデータ不足との指摘もあった、70歳以上の高齢者でも同じだった。
今回の研究データはまだ正式には公表されていない。
「個人を守るのに役立つ」
レヴィン教授は今回の研究について、ワクチンが有用であり、重症化しやすいグループで「非常に高率の」接種が必要なことを、「イギリスなどの国々に示す」ものだと説明。
一方、人口の何割にワクチン接種をすれば、感染防止対策の制限を緩和できるかはわからないとした。
「感染拡大にどんな影響を及ぼすかはまだわからない」
ただ、少なくとも「このワクチンは個人的な防御には役立つ」ことは明らかだと、レヴィン教授は話した。
新型コロナウイルスのワクチンを比較 効果が高いのは? 安いのは?
イスラエル保健省でデータ分析をしているエラン・シーガル教授は、新型ウイルスの感染症COVID-19に対するワクチン接種の効果を判断するには、60歳以上の8割に接種する必要があると示唆した。
イスラエルは世界で初めて、ワクチン接種の効果の検証を進めている。何週間かかけて国民の多くが接種したことで可能となった。
ロックダウン効果よりも
発症の大きな減少は、最初に接種を受けた60歳以上の人々と、接種の開始が早かった都市部で確認された。これは、ロックダウン(都市封鎖)ではみられなかったことだ。ロックダウンではなくワクチンによって感染が減っていることの、有力な証拠と考えられる。
だがシーガル教授は、発症の減少が予想より緩やかだったことに警戒が必要だと述べた。イギリスで発見され、イスラエルでも優勢となった変異株の影響かもしれないという。
同教授はまた、イスラエルのワクチン接種は「非常に速いペース」で進んでいるが、今なお未接種で感染すれば重症化の恐れがある人も何万人かいると指摘。
「ロックダウン解除にはまだ非常に慎重であるべきだ」とし、対応を誤れば多くの人が入院するリスクがあると述べた。
パレスチナ自治区では
イスラエルは感染の大きな波に見舞われ、厳しい対策を取り続けている。現在は16歳以上がワクチン接種の対象となっており、少なくとも教育機関の再開を望む声があがっている。
イスラエルはまた、パレスチナ自治区におけるワクチン接種を誰が進めるのかをめぐって、批判を浴びている。
イスラエルは、パレスチナ人が暮らすヨルダン川西岸とガザ地区での医療従事者への接種のため、ワクチンの輸送を始めたばかりだ。
一方、イスラエル国民の4分の1が2回の接種を終えている。
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発症、重症が9割以上減 ワクチン接種先行のイスラエル調査
【カイロ】イスラエルの保健機構は15日までに、米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンには、発症を94%減らす効果があったとの調査結果を発表した。重症化するケースも92%減ったとしている。ロイター通信などが伝えた。世界最速のペースでワクチン接種を進めているイスラエルは、重症者や入院者が減少傾向になったとして、近く感染防止の各種規制を緩和する方針だ。
発表したのは、イスラエル国民の半数以上が加入している保健機構クラリット。ワクチンはファイザーと独バイオ企業ビオンテックが開発した2回接種のもので、調査は2回接種した60万人と未接種の同数について実施した。
クラリットの幹部は「ワクチンには非常に効果がある」と述べ、2回目の接種後、2週間以上たっても効力が残っているとの見方を示した。人口約900万人のイスラエルでは昨年12月から接種を開始。4割以上が1回目の接種を受け、2回とも受けた人は25%を超えた。
同国保健省は、接種を受けた人たちにホテルやスポーツジムなどの利用を許可する「グリーンパス」の適用を23日にも始める方針を示している。アプリを通じて保健省のデータにアクセスすると、個々の人たちの接種の状況が表示されるシステムだという。ギリシャとの間では、グリーンパスの所有者が同国を旅行する際、各種制限を緩和する取り決めを結んだ。
イスラエルはロックダウン(都市封鎖)を実施中で、来月9日をめどにレストランやカフェの営業を許可することも検討している。
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本紙特派員も接種 コロナワクチン「世界最速」イスラエルの今
新型コロナウイルスのワクチン接種が世界最速レベルで進むイスラエルで、毎日新聞のエルサレム特派員(53)が1月19日と2月9日の2回にわたり、米製薬大手ファイザー社ワクチンの接種を受けた。日本でも同社製ワクチンの接種開始が間近に迫る中、イスラエル国内の取り組みを紹介する。
妻は頭痛と倦怠感が2日間
「はい、終わりましたよ」。看護師の言葉に少し戸惑った。注射針の痛みさえ感じなかったからだ。9日、エルサレム最大規模の医療機関「ハダサ医療センター」で受けた2回目の接種。カーテンで仕切られたブースで、体調やアレルギー既往症などを尋ねられた後、利き腕ではない左腕の筋肉に注射された。所要時間は5分足らずだ。
ワクチン接種後、アナフィラキシーショックを警戒して病院内で待機する人たち=エルサレムのハダサ医療センターで2021年2月9日午後、高橋宗男撮影
接種後は、急性の激しいアレルギー反応「アナフィラキシーショック」が出た場合を想定し、ブースから出て近くの椅子で15分ほど待機する。その間、携帯電話に一つのメッセージが届いた。イスラエル保健省からだ。接種管理番号を知らせる「証明書」の通知だった。国民皆保険のこの国では住民の医療情報も一元的に管理されており、こうした迅速な連絡には驚かされる。
「2回目の接種後は副反応が強めに出る可能性があります。熱が4日以上続くようならPCR検査を受けてください」。看護師はそう話していたが、上腕に痛みが出た程度で、翌日には治まった。
だが副反応には個人差がある。一緒に接種を受けた妻(53)は発熱こそしなかったものの、頭痛に加えひどい倦怠(けんたい)感、全身の関節痛に襲われた。これらは2日間で治まったが、腕の痛みは4日続いた。
ただこうした副反応は想定内のものだ。深刻な事例は少ないとされ、イスラエル中部アシュドッドにあるアシュタ病院のタル・ブロシュ感染科長は地元メディアに「接種開始後、ワクチンに起因する死者は一人もいない」と語っている。
仕事上、外国人記者も対象に?
人口約900万人のイスラエルで、15日現在の感染者数は72万人超、死者は5000人超となっている(米ジョンズ・ホプキンズ大の集計)。国民向けのワクチン接種は昨年12月20日に開始。政府報道局から接種希望の有無を尋ねるメールが記者のもとに届いたのは、接種対象が50歳以上の国民に拡大された直後の今年1月12日のことだ。国民皆保険の枠外にある外国人記者も接種を受けられるよう調整するという。記者という仕事上、人に接する機会の多さも考慮されたとみられる。
接種の際は自身の健康状態をよく考えて決めた。副反応に対する漠然とした恐れはあったものの、アレルギー既往症はない。ただ、数年前に「肺機能の低下」を医師に指摘されて禁煙した経緯があり、副反応より感染の方がより危険だと判断した。さらにイスラエル国内でのワクチン接種が進む中で、非接種の場合には移動の際の煩雑な手続きが増えるかもしれないという心配もあった。
接種促すための「秘策」
イスラエルでは11日現在、国民の4割以上に当たる約370万人が少なくとも1回目の接種を受け、このうち約230万人が2回目を終えた。多くの国々がワクチンの確保に不安を募らせる中で、世界最速ペースで接種が進む背景には、国民の医療データを製薬会社側に提供すると約束したことなどがある。
接種キャンペーンの旗振り役はネタニヤフ首相だ。3月の総選挙に向け、自身の汚職疑惑や大量の失業者を出した「失政」を帳消しにしようと、コロナ対策に注力して国民に接種を呼びかけている。政府は2月に入り、接種対象を16歳以上に拡大し、外国人労働者や難民申請中の外国人らも対象に含めた。
なぜ対象を拡大したのか。
実はその背景には、順調に進んできた接種ペースの減速が関係している。1月下旬まで接種者数は1日20万人超のペースだったが、2月に入って半減。重症化しにくいとされる若年層や、副反応への不安を感じる人々は接種を避ける傾向にあるほか、政府への不信感が根強いアラブ系住民やユダヤ教超正統派の人々も消極的な人が多い。こうした人々に接種をどう促すかが課題となっている。
昨年12月下旬から続いてきたロックダウン(都市封鎖)の段階的緩和が始まり、買い物客で混雑するエルサレムの市場=エルサレムで2021年2月12日午前、高橋宗男撮影
接種に気持ちを向かわせるインセンティブ(動機付け)として浮上している案が、接種を終えた人に対する「グリーンパスポート」の発行だ。例えばこのパスポートを持つことで制限なく海外渡航をしたり、イベントに参加したり、トレーニングジムに行ったりすることができる「特典」の付与が検討されている。
また、一部信徒が密集して集団礼拝を続けるユダヤ教超正統派コミュニティーへの対策も始まった。信徒が多い中部ブネイブラクでは、ワクチン接種と引き換えにユダヤ教安息日の定番煮込み料理「チョレント」の提供を開始。こうして安息日前の11日には接種者が急増したという。
2回接種「死者は確認されず」
政府はユダヤ教の祝祭「過ぎ越し祭」が始まる3月下旬までに16歳以上の国民への接種を終えたい考えだ。ただ、現段階では製薬会社による15歳以下への治験データがないため、この年代への接種は想定されていない。
接種の効果は出ているのか。国民へのワクチン接種を担う健康医療サービス事業者「マカビ」によると、ファイザー社のワクチンを2回接種して1週間以上経過した52万3000人のうち、コロナに感染した人は544人(0.1%)だった。入院治療を必要としたのは15人で、重症化したのは4人。死者はいなかった。
このデータを見る限り、効果は確かに出ているようだ。マカビ幹部のミリ・ミズラヒ・レウベニ氏は「受けていない人はできるだけ早く予約を入れてほしい。感染した場合の重症化を防ぐだけでなく、他の人を感染の危険にさらす可能性を小さくする」と地元メディアで訴えている。
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参考
重要 新型コロナ予防策(変異株対策 よりUP)、知識のアップデートと共有がカギ / 家庭内感染を防ぐ―新型コロナウイルス / 「清潔意識の違い」がストレス、やがて家庭はぎくしゃく
重要 英国の変異ウイルスに女児感染! 専門家「今と同じ対策では抑えられない」と警告!(変異種)英首相「イギリス型は感染率だけでなく死亡率も高い」
重要 新型コロナワクチン、「感染予防効果なし」は誤り。ワクチンの効果、副反応について専門家に聞きました /新型コロナワクチンは筋肉注射に 皮下注射と違いは?
病床使用率、東京・大阪・兵庫は70%超え…9都府県で「ステージ4」 /ステージ4は20都府県 岡山も 自宅療養者3万5千人
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家庭内感染(飲食感染)を防げ!!
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参考
新型コロナ、10年後は普通の風邪 米大学研究チームが試算
SDGsの観点からも、帰宅してすぐにお風呂に入る必要はない(むしろ、冬場は、心臓によくない)
それよりは、衣服に注意すること!!
家庭内感染(飲食感染)を防げ!!
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参考
新型コロナ、10年後は普通の風邪 米大学研究チームが試算
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感染症対策のupdateを!!SDGsの観点からも、帰宅してすぐにお風呂に入る必要はない(むしろ、冬場は、心臓によくない)
それよりは、衣服に注意すること!!
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新型コロナウイルス政府専門家会議の「方針」転換(今頃、PCR検査を拡大)
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