岡山 工場クラスターで何が ベトナム人の技能実習生 (「正確な情報」を回覧板 )



 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、日本語を十分に話すことができない外国人技能実習生を含む70人以上の感染者の集団=クラスターが発生した岡山市にあるシャツの製造会社は、これまでに経験したことのない課題に直面しました。

この会社では去年12月、ベトナム人の技能実習生のうち、半数以上にあたる39人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、会社の唯一の通訳、ベトナム人のグエンさん(33)が、隔離された実習生と保健所をつなぐ役割を担うことになりました。
グエンさんは当時「言語の壁」に直面していたと振り返ります。
例えば、感染が確認され息苦しさを訴えていた実習生に対しては、息苦しさの原因や症状の程度など自分で考えた質問で尋ね、保健所に内容を伝えました。
新型コロナウイルスは、症状を見逃すと容体が急変しかねず命に関わる内容だけに、自分が情報を正しく伝えられているか不安は尽きなかったといます。
グエンさんは「重症なのか自宅療養を続けてもよいのか、保健所の判断にも影響するので『失敗したらどうしよう』と不安でした。医療の内容などがわかる通訳がいればよかったと思います」と話していました。
一方、会社がある地域でも「外国人への差別や偏見」という、もうひとつの課題に向き合っていました。
地元で町内会長を務める杉原倫夫(57)さんは、誤った情報が地域に広がり、感染者がひぼう中傷されるのを防ごうと対応に当たりました。
会社と協議し、感染者の状況や会社の対応などを文書にまとめた「正確な情報」を回覧板を使って住民に伝えるとともに、冷静な対応を呼びかけました。
会社によりますと、こうした取り組みもあり、地域からひぼう中傷が寄せられたことは一度もなかったといいます。
杉原さんは「クラスターはどこでも起こりうる。誤った情報ではなく、正しい情報を知って冷静に対応する必要があると思います」と話していました。


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参考 

 

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