国際情勢 欧州人権裁判所、ワクチン接種義務「人権条約違反はない」/米、中国の7つのスパコン関連企業などに禁輸措置/ 中国政府のテスラ車利用停止 テスラ側「カメラは北米以外で作動せず」

欧州人権裁判所、ワクチン接種義務「人権条約違反はない」



 チェコで子供のワクチン接種が義務付けられていることをめぐる裁判で、ヨーロッパ人権裁判所は、「子供たちの最善の利益と一致している」として、人権条約違反はないという判決を下しました。

 チェコでは、子供はポリオや破傷風など9つの病気の予防接種を受けることが原則義務付けられています。裁判は、2003年、子供の予防接種を拒否したことで罰金を科されたり、保育園の入園を拒否されたりしたチェコの家族が起こしていました。

 ヨーロッパ人権裁判所は8日、判決で、「チェコの政策は、ワクチンを接種した人と接種できない人の両方を保護することに留意していて、子供たちの最善の利益と一致している」と判断しました。そのうえで、訴えを起こした家族に対する措置については「民主主義社会において必要であり得る」として、ヨーロッパの人権条約には違反しないと指摘しました。

 新型コロナウイルスの発生前に提訴された裁判ですが、判決はワクチン接種をめぐる今後の議論にも影響を与えそうです。


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米、中国の7つのスパコン関連企業などに禁輸措置

アメリカ商務省は8日、安全保障上の脅威にあたるとして中国のスーパーコンピューター関連の7つの社と団体を輸出禁止の対象に追加すると発表しました。

 商務省が安全保障上の問題があるとするリストに追加したのは、中国の国立スーパーコンピューティングセンターなどスーパーコンピューター関連の7つの社と団体で、アメリカ製品の輸出には商務省の許可が必要となり、事実上、輸出が禁止されます。レモンド商務長官は声明で、「スーパーコンピューターはほぼすべての兵器の開発に不可欠で、中国の軍備近代化のためにアメリカの技術が活用されることを防ぐためすべての権限を使う」としています。

 バイデン政権は、トランプ前政権が中国のハイテク企業などに発動した禁輸措置も継続していて、強硬な対応を維持する方針です。

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中国政府のテスラ車利用停止 テスラ側「カメラは北米以外で作動せず」

アメリカ・テスラ社の電気自動車のカメラなどから情報漏えいのおそれがあるとして中国政府が利用を制限しているとされる問題で、テスラ社は「カメラは北米以外では作動しない」などと説明しました。

 アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル紙は先月、テスラ社の電気自動車に搭載されたセンサーとカメラから運転手の個人情報などのデータがアメリカに漏えいするおそれがあるとして、中国政府が一部の政府機関に対して、職員によるテスラ社製の車の利用を停止するよう通知したと伝えました。

 そして7日、テスラ社は中国版ツイッター「ウェイボ」で、「車載カメラは北米以外では作動せず、北米でも使用するかはユーザーが自由に選択できる」とするコメントを発表しました。その上で「テスラは、プライバシー保護のため世界をリードするセキュリティー・ネットワークシステムを備えている」としています。

 これに先立ち、中国国営の新華社通信はウェイボで、「いくら便利でも、代価として個人情報やプライバシーを勝手に譲り渡してはならない」などとテスラ社側に説明を求める投稿をしていて、テスラ社の今回のコメントは中国側の疑念を払しょくする狙いがあるとみられます。

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世界初!次世代クリーンエネ“水素”を豪から日本へ 背景に何が?

「World特派員リポート」、今回はオーストラリアからです。次世代エネルギーとして注目される水素をオーストラリアから日本に運搬する実証実験が、日本の企業連合主導で始まりました。世界初の試みということです。シドニーから飯島浩樹通信員の報告です。

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