岡山の高校生自殺問題、県教委は再発防止策示さず 県議会委で批判相次ぐ ( 2012年7月 の出来事 ) 何年かかるの???


 岡山県教委は15日の県議会文教委員会で、2012年7月に操山高(岡山市中区浜)の野球部マネジャーだった2年の男子生徒=当時(16)=が自殺した問題を巡り、第三者調査委員会の報告書を説明。具体的な再発防止策までは示さず、委員から批判が相次いだ。

 委員会では、県教委の対応に質問が集中。担当者は「報告書の内容を確認している」と繰り返し、さらに事実認定の一部に関して「われわれの見解と違う内容があり、詳細を確認したい」と述べた。

 これに対し委員は「問題の発生当時と体質が変わっていない」「(外部に)やってもらった調査を確認するとはどういうことだ」と厳しく指摘。河野慶治委員長(自民)が随時、対応状況を委員会に報告するよう求めた。

 3月26日に公表された報告書では、生徒の自殺は野球部監督の叱責(しっせき)などが原因とし、直ちに再発防止策を検討するよう県教委に求めている。


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2021年03月26日 
操山高生自殺は監督の叱責が原因 第三者調査委が報告書

 
2012年7月に操山高(岡山市中区浜)の野球部マネジャーだった2年の男子生徒=当時(16)=が自殺した問題で、有識者による第三者調査委員会は26日、監督の叱責(しっせき)などが原因とする報告書をまとめ、岡山県と同県教委に提出した。

 報告書では、生徒は体罰を受けるなど普段から監督に萎縮していたと判断。自殺直前、炎天下のグラウンドに一人残り、激しく叱責されて「かねて疑問を覚えてきた自分自身の存在価値を改めて否定したと考えられる」と結論付けた。熱中症の危険にさらしながらの指導を「生徒に対し著しく配慮に欠ける」とした。

 監督に関しては部員に「死ね」「帰れ」と人格を否定する発言をしていたほか、ノックで捕球できないところに何回も球を打つ行為は体罰と認定された。

 県教委や学校に対しては「遺族の心情に寄り添った対応をせず、原因を究明する姿勢を欠いていた」と指摘。再発防止策を講じ、進捗(しんちょく)状況を公表して外部の評価・検証を受けるよう提言した。

 この日、委員長の新阜(にいおか)真由美弁護士(大阪弁護士会)が、岡山市内で伊原木隆太知事と鍵本芳明県教育長に報告書を提出。会見で新阜氏は「考え得る最も有力な要因を認定した。当初から県教委が主体的に第三者委員会を設置して遺族の思いに応えるべきだった」と説明した。

 男子生徒は11年に野球部に選手として入部したが、12年にいったん退部。マネジャーとして復帰後の同年7月に岡山市内で自殺した。

 操山高生徒の自殺を巡る経緯 自殺した生徒について、県教委は2013年2月、監督から「マネジャーの仕事をしろ」と繰り返し叱責されていた事実を確認したものの「自殺との因果関係は不明」と発表した。両親側は原因究明の第三者調査委員会の設置を要望。伊原木隆太知事と両親との面会などを経て、18年8月に弁護士、精神科医らの調査委が立ち上がり、計26回の会合で当時の生徒や教職員らへの聞き取りなどを行っていた。
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