国際情勢 ミャンマー情勢めぐりASEAN首脳会議 各国が暴力停止求める /米大統領、「アルメニア人虐殺」認定 /中国外相 米との関係「民主主義と権威主義の争い」と誇張するな

ミャンマー情勢めぐりASEAN首脳会議 各国が暴力停止求める



 ASEAN=東南アジア諸国連合は24日、ミャンマー情勢について話し合う緊急の首脳会議を開催し、暴力の即時停止やASEANからの特使の受け入れなどで合意したとする議長声明を発表しました。

 ジャカルタで開催されたASEAN首脳会議には、クーデターで全権を掌握したミャンマー軍のトップ、ミン・アウン・フライン総司令官も出席しました。

 クーデターに批判的な立場をとる加盟国の首脳からは、ミャンマーに対して市民を標的にした武力行使の即時停止を求める意見が相次ぎました。

 発表された議長声明には、死者の報告や暴力の拡大に深刻な懸念が明記されたほか、ミャンマー国内における暴力の即時停止や、ASEANからの特使や人道支援の受け入れなど5つの合意が盛り込まれました。軍事政権の今後の対応が注目されます。
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ASEAN 特使をミャンマー派遣で対話仲介へ 議長声明を発表

ミャンマー情勢をめぐるASEAN=東南アジア諸国連合の首脳級の会議が24日開かれ、平和的な解決に向けてASEANの特使をミャンマーに派遣して対話を仲介するなどとした議長声明を発表しました。


ASEANの首脳級会議は24日インドネシアの首都ジャカルタで行われ、クーデターを起こしたミャンマー軍のトップ、ミン・アウン・フライン司令官も出席しました。

会議のあと議長声明が発表され、出席者は深刻な懸念を表明したうえで、平和的な解決に向けた5つの項目について合意したとしています。

合意内容には、暴力を直ちに停止しすべての当事者が自制することやASEAN議長国の特使が対話プロセスを仲介すること、特使が現地のすべての当事者と面会することなどが盛り込まれています。

会議に出席したシンガポールのリー・シェンロン首相は地元メディアに対して、ミン・アウン・フライン司令官が会議の中で「ASEAN代表団の訪問や人道支援に反対しない」などと述べたことを明らかにしました。

一方、5項目には、アウン・サン・スー・チー氏などクーデターで拘束された人たちの解放については盛り込まれず、議長声明の中で「解放を求める声もあった」という表現にとどまりました。

ASEANとしては地域の共同体として事態の打開に向けて主導的役割を打ち出した形ですが、民主化を目指す勢力と激しく対立する軍から今後どれだけ協力を引き出せるかが問われることになりそうです。
ミャンマー軍に対抗し発足「国民統一政府」が声明
ミャンマーで民主化を目指す勢力が軍に対抗して発足させた「国民統一政府」の報道官を務めるササ氏は「ASEANの指導者たちが軍の暴力を停止し政治犯を釈放しなければならないとの考えで一致したというニュースを歓迎する」とした声明を発表しました。

声明はまた「今回の決定に従い私たちが民主主義と自由を取り戻すためASEANの揺るぎない行動を期待する」としています。
ミャンマー国営テレビ 合意内容については触れず
ミン・アウン・フライン司令官の今回の会議の出席はクーデター後初の外国訪問となりました。

24日夜のミャンマーの国営テレビは司令官の出席をトップニュースで取り上げ「司令官らはミャンマー国内の政治的な進展や今後について議論した」と伝えました。

しかし、暴力の停止やASEANの特使など議長声明に盛り込まれた合意内容については一切触れませんでした。
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米大統領、「アルメニア人虐殺」認定


アメリカのバイデン大統領は、第一次世界大戦中にオスマン帝国で起きたアルメニア人の殺害について「ジェノサイド=大量虐殺」だったと認定しました。

 バイデン大統領は24日のアルメニア人追悼記念日に合わせた声明で、「150万人のアルメニア人が絶滅政策によって国外に追放され、虐殺され、死の行進を強いられた」と指摘しました。

 そのうえで、第一次世界大戦中にオスマン帝国で起きたアルメニア人の殺害を「ジェノサイド=大量虐殺」だったと認定、「失われたすべての命を追悼し、このような残虐行為が二度と起きないようにすることを誓う」と表明しました。

 ロイター通信は、バイデン氏が23日にオスマン帝国の後継国であるトルコのエルドアン大統領と電話会談した際、事前にジェノサイドと認定する意向を伝えたと報じていますが、これまで虐殺を否定しているトルコ側の反発は避けられそうにありません。

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中国外相 米との関係「民主主義と権威主義の争い」と誇張するな



 中国の王毅外相は、アメリカのシンクタンクのオンライン会合でビデオ演説し、米中対立を民主主義と権威主義の争いと誇張するなと反発しました。

 王毅外相は23日、アメリカのシンクタンク、「外交問題評議会」とのオンライン会合でビデオ演説しました。演説の中で王毅外相は、多国間主義を目隠しとして小さいサークルを作ってはならないなど、「アメリカへの5つの提言」を挙げ、いわゆる“中国包囲網”を敷くアメリカ側をけん制しました。

 また、米中関係を「“民主と権威の争い”と誇張し、世界各国にレッテルを貼る論調がある」と指摘。「民主主義はコカ・コーラと違って、アメリカで原液を生産し、全世界で同じような味にするようにはいかない」と反発しました。


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中国初の強襲揚陸艦「海南」就役 習主席出席 台湾上陸想定か

中国初となる強襲揚陸艦の就役式が海南島で行われ、習近平国家主席が出席しました。揚陸艦の配備は台湾上陸などを想定しているとみられます。

 南シナ海に面した海南島の三亜で23日、中国海軍に引き渡されたのは、中国初となる強襲揚陸艦「海南」など3隻です。23日は海軍創設72年の記念日で、国営の中央テレビによりますと、就役式には習近平国家主席が出席し、軍旗などを授与したということです。

 強襲揚陸艦の配備は台湾上陸や南シナ海での紛争を想定しているとみられ、アメリカ軍などとの緊張が高まる中、習氏自ら出席することで、軍事力を誇示する狙いがあるとみられます。


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インドネシア海軍潜水艦 連絡絶った海域で破片を確認「沈没裏付ける」

今月21日、乗組員53人を乗せ訓練中に消息を絶ったインドネシア海軍の潜水艦について、海軍は、破片が現場海域で発見されたと発表しました。

 インドネシア海軍の幹部は24日、現場海域で破片の一部が確認されたと明らかにし、潜水艦の沈没を裏付けるものであるとの見方を示しました。

 探知機のデータによると、潜水艦は水深およそ850メートルの位置に沈んでいるということです。また、艦内の酸素は24日未明に尽きている計算で、乗組員53人の救出は難しいとの見方が広がっています。

 潜水艦は1977年にドイツで建造されたもので、海軍の幹部は、船体の老朽化が事故の原因になったとの見方を示しています。
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