トヨタ自動車、海外で製造した水素で自動車レースに出場 / ホンダ 新車のオンライン販売へ 日本の自動車メーカーで国内初

トヨタ自動車、海外で製造した水素で自動車レースに出場


  世界的に脱炭素に向けた動きが加速するなか、トヨタ自動車は初めて海外で製造した水素を使って自動車レースに出場しました。

 トヨタが自動車レースを通じて開発を進めているのが、水素を燃料として二酸化炭素をほとんど排出しない「水素エンジン車」です。今回は、国内で調達した水素に加えオーストラリアに大量にある低品質な石炭「褐炭」から製造した水素を使いレースに挑みました。

トヨタ自動車 豊田章男社長
 「レース参戦をきっかけに、まだまだこういう可能性もあるよねという形ができた。多くの仲間たちが自発的に参加頂いている。これこそが大きな動きなんじゃないか」

 今回の水素は空輸しましたが、今後は川崎重工業が開発している液体の水素を運べる船を使って1度に大量に運ぶことを目指します。水素社会の実現に向けてはコスト面などが課題となっていますが、トヨタは自動車業界以外の企業とも協力し、低コストで水素を供給できる環境作りを目指すとしています。


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ホンダ 新車のオンライン販売へ 日本の自動車メーカーで国内初

ホンダは来月にも日本の自動車メーカーでは国内初となる新車のオンライン販売に乗り出すことになりました。
コロナ禍で対面を避けたいというニーズに応えるねらいで、店頭での商談が一般的な車の販売の現場が大きく変わりそうです。

関係者によりますと、ホンダは見積もりから契約、ローンの審査など、車の購入手続きをインターネットで完結できる専用サイトを来月にも開設し、新車のオンライン販売に乗り出します。

専用サイトで扱うのは販売台数が多い主力車種とする方針で、都市部から始めて徐々に対象エリアを広げていくことを検討しています。

納車はこれまでどおり販売店で行うということです。

車の販売は取引額が大きいため店頭での商談が一般的でしたが、新型コロナウイルスをきっかけになるべく人との接触を避けて購入したいというニーズが高まっています。

こうした中、ホンダはオンライン販売を通じてコロナ禍での需要を掘り起こすとともに、車離れが指摘されている若い世代など、新たな顧客の獲得にもつなげるねらいがあります。

国内ではアメリカのテスラやドイツのBMWがすでに始めていますが、日本の自動車メーカーは初めてだということで、車の販売の現場が大きく変わりそうです。

海外では多くのメーカーがオンライン販売
新車のオンライン販売は海外ではすでに多くのメーカーが取り入れています。

アメリカではEV専業メーカーのテスラが創業当初から行っているほか、日本のトヨタ自動車や日産自動車も現地ではオンラインの販売サイトを立ち上げています。

ヨーロッパではフォルクスワーゲンが去年、ドイツ国内でEV=電気自動車を対象に始めたほか、BMWなど多くのメーカーが力を入れています。

さらに、EV専業メーカーを目指すスウェーデンのボルボ・カーは店頭での販売をやめ、オンラインだけにする方針を明らかにしています。

一方、国内では車の定額利用サービス=サブスクリプションや、中古車の販売でオンラインを活用する動きがありましたが、日本のメーカーによる新車のオンライン販売はありませんでした。

一部の海外メーカーからは、日本ははんこ文化が根付いているため、書類が多い車の販売ではオンライン化が広がらなかったのではないかという指摘があります。

ただ、今回のホンダに続いてこの冬には日産自動車も一部の新車でオンライン販売を始める予定で、新型コロナをきっかけに広がる可能性もあります。
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車載電池 脱炭素へ安定調達が急務



  脱炭素化に向け、電動車に搭載する蓄電池を巡る競争が世界的に激化している。

 電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)用の需要が高まるとみて、トヨタ自動車は2030年までに車載電池の確保や開発に1兆5千億円の投資を決めた。安定調達と低コスト化が自動車市場の未来を制する鍵となる。

 自動車産業は、未曽有の変革期を迎えている。とりわけ電動化は、温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の潮流を背景に競争の主戦場になるとみられる。

 欧州連合(EU)は、HVを含むガソリン車やディーゼル車の新車販売を35年に禁じる環境政策を打ち出した。世界一の自動車市場である中国も、同年をめどに全てEVなど環境対応車とする。日本もガソリンエンジンのみで動く新車の販売を規制する方針だ。

 規制強化によって電動車の普及が加速するのは間違いない。

 車載電池は、その性能やコストが電動車の競争力に直結する基幹部品とされ、自動車メーカーの生命線となろう。

 電池分野で日本は、スマートフォンにも搭載されるリチウムイオン電池の開発をはじめ、技術力や品質で世界をリードしてきた。ところが韓国や中国などの急速な追い上げで競争力に陰りが見えている。中でも国策としてEV導入に熱心な中国は、今や車載電池の生産で優位に立つ。米国も経済安保の観点から自国での電池生産を後押している。取り残されれば日本にとって大きな痛手となる。

 いかに巻き返すか。車載電池の重要性を見据えたのがトヨタの巨額投資と言えよう。

 トヨタは安定調達のため1兆円を電池の生産設備拡大に割り振って電池事業を強化し、性能向上や安価な材料の開発にも挑む。車載電池はEVの製造コストの3割程度を占めるとされ、車の販売価格を左右する。車両と電池を一体開発し、20年代後半までに1台当たりの電池コスト半減を目標に掲げるそうだ。

 今年4月、国内の多くの自動車、電池、素材メーカーなどが参加し「電池サプライチェーン協議会」を立ち上げた。電動車シフトが加速する中、電池関連産業の国際競争力強化を目指すのが狙いだ。期待したい。

 政府も成長戦略の実行計画に、電動車の普及や車載電池の競争力強化を盛り込んだ。自動車は日本の基幹産業であり、官民挙げて多角的に戦略を練り、実効性のある強化策を迅速に打ち出してもらいたい。

 まずは技術力を駆使し、より大容量で耐久性に優れ、走行距離を伸ばせる次世代の「全固体電池」の実用化が急務だ。

 電池には、コバルトやニッケルといったレアメタル(希少金属)が欠かせないが、生産地は限られ、需要の高まりで入手が難しくなっている。資源の安定確保と併せ、レアメタルを使わない電池の開発も視野に入れたい。

 限りある資源をいかに回収し再利用するか。役目を終えた電池の規格がばらばらではコスト高となる恐れがある。種類別の回収義務付けなどリサイクルの仕組みづくりも欠かせない。

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