河野・岸田氏が接戦 高市氏猛追、野田氏出遅れ―議員支持動向調査・自民総裁選


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自民党 衆議員院塩嶺

総裁選 人の異動き
派閥からの推薦人?
 自民党総裁選について、時事通信は党所属国会議員の支持動向を調査した。それによると、河野太郎規制改革担当相(58)と岸田文雄前政調会長(64)が競り合い、高市早苗前総務相(60)が激しく追っている。出遅れた野田聖子幹事長代行(61)は挽回に懸命。ただ、2割程度が態度を決めておらず、党員・党友票の行方を含め、情勢は流動的だ。



 竹下亘衆院議員の死去を受け、総裁選は国会議員票と党員・党友票各382票の計764票で実施される。国会議員票の投開票は29日。
 調査は13~19日に議員からの聞き取りなどにより実施した。河野、岸田両氏は党所属議員の25%前後の支持を固め、高市氏も約2割の支持を得て2人を猛追し、告示前日に出馬表明した野田氏は約5%にとどまっている。
 岸田派を除く6派閥が事実上の自主投票とする中、河野氏は岸田派以外の中堅若手を中心に支持を広げ、所属する麻生派(53人)では約半分の支持を獲得。石破派(17人)の半数以上も固め、二階派(47人)、石原派(10人)、無派閥にも浸透する。岸田氏は自身が率いる岸田派(46人)をまとめ、細田派(96人)、麻生派、無派閥からもベテランや参院議員を中心に支持を取り付けた。
 安倍晋三前首相が後押しする高市氏は、安倍氏が影響力を持つ細田派の中堅若手に浸透。麻生派、竹下派(51人)、二階派にも食い込みを図る。野田氏は推薦人20人からの上積みが課題だ。
 ◇地方幹部は岸田氏
 一方、47都道府県連の幹部を対象に時事通信がアンケート調査を実施したところ、岸田氏支持が12人で最多だった。河野氏支持は3人、高市氏支持は2人、野田氏支持はいなかった。ただ、河野氏の地元神奈川、野田氏の地元岐阜を含む29都府県連が支持候補を回答しなかった。
 岸田氏支持は福島、石川、広島、福岡などの幹事長ら。河野氏支持は北海道、青森、鳥取、高市氏支持は滋賀、奈良の幹事長らだった。党員の支持動向も尋ねたところ、支持候補にかかわらず、河野氏優位との回答が目立った。
 総裁選を通じた世代交代について聞くと、25府県連が「全面的に」「多少は」を含めて「世代交代を進めるべきだ」と回答。津田健児三重県連幹事長は「若い力で党や国を変えていく必要がある」とした。


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「つまらない男」でもリーダーに=岸田文雄前政調会長―自民党総裁選


 「岸田の話はつまらない」。

 昨年の自民党総裁選で敗北を喫した後、こんな声が投げ掛けられたという。「しかし、私の特長は聞く力。今の時代に求められているリーダーは私だ」。岸田文雄前政調会長は総裁選が告示された17日、衆院議員会館で開いた選対本部の出陣式でこう訴えた。

 安倍晋三前首相の下で、外相や政調会長といった要職を担い、「ポスト安倍」の最右翼とみられていた。ただ、安倍氏からの後継指名は得られず、党内7派閥のうち五つが支援に回った菅義偉首相に大差で敗れた。

 今回の総裁選では、新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中とあって、岸田派名誉会長を務めた古賀誠元幹事長を含め、岸田氏の出馬には難色を示す向きもあった。しかし、「今回こそ首相になる」との決意を胸に出馬に踏み切った。

 真っ先に打ち出した「自民党の信頼回復」の目玉は、党役員の1期1年連続3期までの任期制限。在任期間が長期にわたる二階俊博幹事長を念頭に「権力の集中と惰性を防ぐ」と力強く宣言。これが、菅首相の退陣に至る一連の政局につながった。

 温和な人柄のイメージが強い岸田氏だが、周辺からは「目の色が変わった」「戦う姿勢が前面に出るようになった」との声が漏れる。

 出馬表明以来、新型コロナ対策、経済政策、外交・安全保障とテーマごとに記者会見に臨んでいる。「小出し」との批判もあるが、今後も地道に政策を訴え続ける考えだ。

 今やトレードマークとなった「岸田ノート」には、全国各地で直接聞いた有権者の声が書きためてあるという。17日の演説会では広島弁も交えて自らの「聞く力」をアピール。「丁寧で寛容な政治」を体現するリーダーを目指す。 


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