国際情勢 中国GDP成長率 減速鮮明 不動産投資冷え込む /バイデン大統領「親愛なる友人で愛国者」パウエル氏死去受け / 中国 ソニーに罰金1800万円 盧溝橋事件と同日時に新製品発表で

中国GDP成長率 減速鮮明 不動産投資冷え込む



 GDP(国内総生産)の成長率が4.9%と景気減速が鮮明となった中国。不動産大手「恒大集団」の経営危機も加わって不動産への投資冷え込みが顕著ですが、その現場を取材しました。

 日本円でおよそ33兆円の巨額の負債を抱え、経営危機に陥っている恒大集団。取り付け騒ぎに、工事の停止・・・。いわゆる“恒大ショック”は、中国の不動産市場への不信感を一気に高めています。

記者
 「北京で建設中の恒大とは別のマンションです。20階と見晴らしのいいこちらの部屋、127平米で、価格はおよそ1億2000万円です」

 これは、恒大集団とは別の不動産会社が今年3月からおよそ250戸を販売しているマンション。売れたのは、5分の1程度にとどまっているとみられます。民間の調査会社のデータでは、不動産業界全体の9月の物件の販売額は去年の同じ時期に比べ、36%あまり減少し、3か月連続のマイナスと急ブレーキがかかっているのです。

 そこに追い打ちをかけたのが“恒大ショック”なのですが、現場にはこんな影響が。

マンション販売企業 担当者
 「恒大の事件は不動産市場の価格に一定の波紋を広げている」

中国の投資家
 「180万元(約3200万円)の部屋を160万元(約2800万円)に下げたりしている。多かれ少なかれ、恒大の影響を受けている」

 不動産会社は銀行から借り入れた金を使って地方政府から土地の使用権を購入し、開発するのが一般的なのですが、販売が落ち込むなか、銀行への返済のためにマンションを値下げして現金化する必要に迫られています。

北京市民
 「(値下げの)影響はもちろんあります。将来、投資の目的で不動産を買うことに慎重になる」
 「不動産に頼って国の経済全体を引き上げる可能性は低くなります」

 きょう発表された中国の今年7月から9月までのGDP成長率は去年の同じ時期に比べ、4.9%のプラスでした。しかし、前期(今年4~6月)と比べると、3ポイントのマイナスです。要因について、中国経済の専門家は。

丸紅中国・経済調査総監 鈴木貴元氏
 「第一の要因は、投資の停滞ということ。不動産業界の失速というのが一番寄与していると思います」

 去年1年間の中国の不動産開発投資はおよそ14兆元で、不動産業界はGDPのおよそ14%を占めています。鈴木氏は、「不動産業界の低迷は規制緩和などにより、来年の夏には解消される」との見通しを示す一方で、依然としてリスクはあると指摘します。

丸紅中国・経済調査総監 鈴木貴元氏
 「他の大手企業にも販売の不振が広がってくると、予想外に不動産市場の冷え込みが大きくなって、予期せざることが実現してしまうということは有り得る」

 景気の減速が一層鮮明になった中国。当局は今後、どう対応していくのでしょうか。
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バイデン大統領「親愛なる友人で愛国者」パウエル氏死去受け

アメリカのコリン・パウエル元国務長官が亡くなったことを受け、バイデン大統領は「親愛なる友人で、愛国者だ」として哀悼の意を示しました。

バイデン大統領
 「パウエル氏は親愛なる友人で愛国者であり、偉大な軍の指導者の1人であり、大変な良識をもった人物だ」

 バイデン大統領は18日、亡くなったパウエル元国務長官について「軍隊だけでなく外交政策や国政の分野でも最高の地位にのぼりつめた」と話し、その功績をたたえるとともに哀悼の意を示しました。パウエル氏は18日にメリーランド州の病院で、新型コロナによる合併症のため84歳で亡くなりました。

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パウエル元国務長官(84)が死去、新型コロナの合併症


アメリカのコリン・パウエル元国務長官が新型コロナによる合併症で死亡しました。84歳でした。

 パウエル元国務長官は18日、メリーランド州の病院で、新型コロナによる合併症のため死亡しました。新型コロナのワクチンの接種は完了していたということです。

 パウエル氏は、軍の制服組トップ統合参謀本部議長として1991年の湾岸戦争などを指揮した後、2001年にはブッシュ政権でアフリカ系アメリカ人として初の国務長官に就任しました。

 2003年のイラク戦争の前には国連安全保障理事会に出席し、イラクが大量破壊兵器を隠し持っていると主張、攻撃への支持を求めましたが、その分析は後に誤りであったことがわかりました。

 ブッシュ元大統領は声明で「国内からも国外からも尊敬を集めていた」などとたたえ、哀悼の意を示しました。


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中国 ソニーに罰金1800万円 盧溝橋事件と同日時に新製品発表で

電機メーカー大手のソニーが盧溝橋事件から84年となる今年7月に出した新製品発表の広告に関連し、中国当局は「国家の尊厳を損ねた」などとして、およそ1800万円の罰金を科しました。

 北京市朝陽区の市場監督管理局から今月12日付で100万元(日本円でおよそ1800万円)の罰金を科されたのは、ソニーの中国法人です。中国の「広告法」の「国家の尊厳や利益を損ねたり、国家機密を開示したりしてはならない」との規定に違反したとされました。

 ソニー側は今年6月、「7月7日に新しいカメラを発表する」という広告をインターネット上に投稿しましたが、中国のネット上で日中戦争の発端となったとされる1937年の盧溝橋事件が起きたのと同じ日時だとして批判が殺到。その後、広告を削除したうえで謝罪し、発売を延期していました。
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ロシア NATOの代表部停止へ 外交官追放への報復措置


ロシアのラブロフ外相は、NATO=北大西洋条約機構におけるロシア代表部の活動を停止すると明らかにしました。

 ラブロフ外相は18日、ベルギーの首都ブリュッセルにあるNATOロシア代表部の活動を早ければ来月1日から停止すると表明しました。ラブロフ氏は「NATOの意図的な措置の結果、外交活動のための適切な状態ではなくなった」と指摘。モスクワにあるNATO側の2つの組織を閉鎖することも明らかにしています。

 NATOは今月6日、ロシア代表部に所属する外交官8人を「未申告の情報部員」だとして、事実上の追放処分にしたことを明らかにしていて、今回の対応はその報復措置とみられています。



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NYで“生物テロ”対策の実証実験 地下鉄サリン事件も理由に

アメリカ・ニューヨークの地下鉄などで生物兵器を用いたテロを想定した実証実験が行われました。実施理由の1つに、日本の地下鉄サリン事件が挙げられています。

記者
 「こちら地下鉄のホームでは体に無害なガスを使って生物兵器を用いたテロ対策のための実証実験が行われています」

 この実験は、アメリカの国土安全保障省や研究機関が18日、ニューヨーク市内など120か所で実施したものです。利用客の多いタイムズスクエア近くの地下鉄のホームなどで無害なガスを放出し、乗客についた粒子を市内に設置した機械で感知。拡散のスピードや範囲を分析し、生物兵器などを用いたテロへの対応強化に繋げる方針です。

アメリカ 国土安全保障省の担当者
 「東京で起きた地下鉄サリン事件は、アメリカ国内でテロリストから、いかにして身を守るかという危機感を高めました」

 担当者は実験の理由に地下鉄サリン事件を挙げ、「都市部の安全を生物テロから守るために研究を続けたい」としています。



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