岡山 留学生や技能実習生も… オミクロン株対応による外国人の入国禁止で困惑
10 日本は急速に人気がない方向?
オミクロン株 拡大1202

 オミクロン株への対応として、11月30日から全世界を対象に外国人の入国が禁止されました。
全国的に感染が落ち着いたため、3週間前に入国制限は一旦緩和されていましたが、海外からの技能実習生や学生の受け入れを進めていた団体などは、状況の一転に困惑しています。

ベトナムからの技能実習生を受け入れているIHD協同組合です。
11月に入国制限が緩和され、技能実習生を迎える手続きを進めていた矢先の新たな変異株、オミクロン株の確認でした。
IHD協同組合だけでも、今月、岡山県内の企業5社に15人以上が技能実習生として入国する予定でしたがいったん白紙に、1年以上技能実習生を受け入れられておらず、入国を待つ人が約130人に膨れています。
介護職を仲介する別の組合でも実習生の入国が出来ない状況です。
留学を希望する学生が学ぶ日本語学校にも影響が出ています。
この学校でも今年の1月を最後に学生は入ってきていません。
入国制限がかからなければ、12月1日、入学のため1人が日本にやってくるはずでした。
来年の1月から3月に入学を予定している100人以上の学生も今後のオミクロン株の感染状況に左右されるといいます。
外国人の入国制限は今のところ1か月ですが、緩和の目途が立たないだけに、受け入れ先では困惑の日々が続きそうです。


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入国停止で留学生「日本で学びたい でも限界かも」/ 入国禁止で技能実習生来られず建設会社困惑「死活問題」/ 「オミクロン株」急拡大…12月入国予定の日本語学校留学生 外国人入国禁止に困惑
日本水際対策
オミクロン ブレイクスルー?

10 日本は急速に人気がない方向?
09 日本は急速に人気がない方向?
11日本は急速に人気がない方向?
08 アメリカの民主主義?
12 日本は急速に人気がない方向?
15日本は急速に人気がない方向?

入国停止で留学生「日本で学びたい でも限界かも」


政府は、新たな変異ウイルス、オミクロン株の感染が各国に広がっているのを受けて、11月30日からすべての国と地域からの外国人の新規入国を原則、停止しました。
日本への留学を目指し、海外で待ち続けてきた外国の人たちは、再び入国ができなくなったことをどう受け止めているのでしょうか?
留学を希望する人たちや受け入れ先の日本語学校に話を聞きました。
(国際部記者 近藤由香利)

「この先どうしたらいいのか、分からない」
インド人のディクシャ・ヴェダさん(25)は「治安のよい日本で教育を受けたい」と、ことし4月から福岡市の日本語学校に留学する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、母国で待機を続けています。
【再び入国停止となりましたが、どう受け止めていますか?】
29日の朝、起きたらこのニュースを知ってとても落ち込んでいます。
長い間ずっと日本に行くことを待っていて、11月8日に、入国制限が緩和された時には、受け入れ先の日本語学校から「来年1月には来日できるかもしれない」と説明を受けていました。

日本に行くことを楽しみにしていたので、とても残念なニュースです。

【今回の日本の措置についてどう考えていますか?】
日本を新たな変異ウイルスから守るためだということは理解しています。
ただ留学生は日本に留学するために自分の時間やお金を投資しています。それは私たちの将来のキャリアがかかっているからです。

どうか留学生がこのような状況に置かれているということを理解していただき、日本でのキャリアを描けるようにしてほしいです。
【入国できないことで、ヴェダさんの人生にどう影響していますか?】
当初は日本語学校で学んだあと、日本の大学院でマーケティングの博士号を取得したいと考えていました。でも、すでに日本への留学が先延ばしになっているので、大学院への進学は諦めました。
今は、日本語学校で学び、インドの日系企業への就職を目指しています。ただ、さらに入国が延期になれば、この先の人生をどうしたらいいのか、正直分かりません。

いま言えることは、私の思い描くキャリアを実現できるかどうか、瀬戸際の状態だということです。
「日本への留学を諦めるかもしれない」 
ドイツ人のベンジャミン・キューンさん(34)は、小学生のときに見た日本のドキュメンタリーをきっかけに日本に関心を持ち、将来はITエンジニアとして日本で働き、暮らしたいという夢を持っています。
当初、ことし3月に来日して、4月から日本語学校で学ぶ予定でしたが、今は貯金を切り崩しながら生活しているといいます。
【再び入国停止となりましたが、どのように受け止めていますか?】
ニュースを聞いたとき、私やほかの留学生たちは、大きなショックを受けました。私たちは自分たちの将来や、今後の生活についてとても心配しています。
【日本に来ることができない間、何が一番大変ですか?】
ドイツで10年間、ITエンジニアとして働き、ことし1月に会社をやめて、3月から日本に行く予定でした。しかし、日本に行くことができないので、日本語学校のオンライン授業を平日の午前4時半から4時間受けています。
また、日本にいつ行けるかわからず、エンジニアとしての仕事も再開できないことから、日本語学校の学費や生活費は貯金を切り崩しています。

こうした生活が精神的にとてもつらいだけでなく、「いつまでこの生活が続くのか」と毎日不安な気持ちでいっぱいです。

【今後はどうする考えですか?】
もし来年1月までに日本に行けなかったら、日本への留学を諦めるかもしれません。今は待つことしかできず、ずっと不安を感じている状態なので、これ以上待てません。

そして、別の選択肢も考えています。
1つは、留学生を受け入れている韓国に行き就職することです。
もう1つの選択肢は、ドイツにとどまり仕事を探すことです。

私の夢は海外で働くことで、1番働きたい国はもちろん日本ですが、日本にいつ行けるか見通せず、生きていくためには、別の道も考える必要があります。
「いつまで経営を続けられるのか、時間との勝負」 
感染拡大の前、およそ400人の留学生が学んでいた福岡市内の「福岡日本語学校」では、現在およそ250人が留学を希望し海外で待機していて、留学生の待機場所や日本語教師の確保など留学生の受け入れ再開に向けて準備を進めてきました。

校長の永田大樹さんに話を聞きました。
【留学生の入国が再び停止されました。どう受け止めていますか?】
日本への入国を心待ちにしていた留学生たちは、ニュースを知って「今後どうなるのか」といった不安の声もあり、学校としても落胆しています。
一方で新たな変異株が出てきたための措置で、やむをえないことでもあり、苦しい心境です。

【受け入れの準備を進めてきたと思いますが、影響はありますか?】
留学生たちが入国できず、在校生の数が感染拡大前の4分の1くらいに減っている中、受け入れが再開されたときのために、教室を維持したり日本語教員を確保したりしなければなりません。
そのための費用もかさみ、いつまで経営を続けられるのか、時間との勝負だと感じています。
【今後、一番心配していることは何ですか?】
「国際交流の礎」となる留学業界全体が非常に厳しい状況に追い込まれていて、この先、留学生そのものの受け入れが難しくなってしまうのではないかと強く懸念しています。
また、日本に来ることを選んでくれた外国人が留学を諦めてしまうケースが出ていることも、とても心配です。
そのため、感染が終息したあとを見据えて、留学生が日本で学べる環境を維持するための支援が必要だと思います。

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入国禁止で技能実習生来られず建設会社困惑「死活問題」



 外国人の入国禁止の影響はこんな場所でも・・・。

 千葉県野田市にある建設会社です。

興和工業 室星恵子 取締役会長
 「本当に死活問題です」

 現在、6人の技能実習生が働いていますが、12月、2人が帰国してしまうため、来年から4人を受け入れる予定でした。

興和工業 室星恵子 取締役会長
 「感染拡大という点においては、入国制限ということは本当に致し方ない。(技能)実習生、待機してる子たちが入ってこれないということが一番、今、心配している」

 技能実習生を受け入れている会社の苦悩は続きます。
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「オミクロン株」急拡大…12月入国予定の日本語学校留学生 外国人入国禁止に困惑(岡山)


新たな変異株、オミクロン株が海外で急拡大しているのを受け、政府は11月30日から外国人の入国を禁止しました。

留学生の受け入れ準備を進めていた岡山市の日本語学校からは、困惑の声があがっています。

(12月入国予定だった中国人留学生)
「(入国できず)大変です。早く日本に行きたい。」

こう話すのは、12月から岡山市北区の岡山外語学院に通う予定だった中国人留学生です。

この学院では12月、7人の留学生が入国予定でした。しかし、政府による入国禁止措置が29日に発表され、職員は、対応に追われました。

(岸田文雄首相)
「外国人の入国については11月30日午前0時より全世界を対象に禁止する。」

政府は、新たな変異株、「オミクロン株」の海外での急拡大を受けて30日から12月末まで、全世界を対象に、外国人の新規入国を禁止しました。

(岡山外語学院 鷹家秀史校長)
「入国制限をするのは分かるが一律というのが残念。やはりきちんと出身国の状況を見て判断してほしい。」

コロナ禍により学院では、2020年の4月以降、約150人の留学生が入国できない状態が続いていてようやく12月から順次、入国できる予定でした。

(12月入国予定だった中国人留学生)
「仕方ないので中国で待つしかない。オンラインで日本語の勉強を続けて、次、日本に入国できる時に早く日本に行きたい。」

(岡山外語学院 鷹家秀史校長)
「自分たちができること、教員・職員が(学生に)頑張ろうと声をかけることが当面の課題。」

新たな変異株の脅威に翻弄される外国人留学生。日本で学べる日が来るのを祈る日々が続きます。


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健康保険に入れない外国人の高額医療費 改善を国に要請


健康保険に入ることができない外国人が、高額な医療費の負担を求められ医療を受けられないケースが出ているとして、医療機関でつくる団体が厚生労働省や法務省などに改善を求める要請書を提出しました。

要請書を提出したのは全国の医療機関でつくる団体「民医連」=全日本民主医療機関連合会で、29日に会見しました。

厚生労働省によりますと、認められた在留期間が3か月以下だったり、難民認定を申請したりしている外国人は健康保険に入ることができず、医療費の全額を自己負担することになります。

このため団体によりますと、病気になった時に医療機関から高額な医療費の負担を求められ医療を受けられないケースが出ているということです。

要請書では医療を必要とする外国人には健康保険に加入できない場合、国が医療費を負担するなど厚生労働省や法務省などに改善に向けた対応を検討するよう求めています。


会見した、難民認定を申請しているイラン人の男性は「病気になっても治療を受けられない外国人はたくさんいて命に関わる問題です。在留資格などを前提にした制度になっているのは間違っている」と話していました。

民医連の岸本啓介事務局長は「国はすみやかに医療を保障する制度を整えてほしい」と話していました。

厚生労働省社会 援護局総務課は「要請書の書面がまだ届いておらず、内容を確認したい」とコメントしています。


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