岡山 乳幼児向けコロナワクチン接種 岡山県内0.68% 副反応懸念、保護者に迷い

乳幼児向けコロナワクチン接種 岡山県内0.68% 副反応懸念、保護者に迷い
新型コロナワクチンの接種を受ける乳幼児=11月17日、岡山南区にじいろ小児科クリニック

 11月から岡山県内で始まった乳幼児向け新型コロナウイルスワクチンの接種率は、同29日時点で0・68%にとどまっている。生後6カ月から4歳までが対象で、全国でも0・8%。子どもの感染が増えており、日本小児科学会は接種を推奨しているが、他のワクチン接種が多い年代である上、副反応への懸念もあり保護者からは不安や迷いの声が上がる。

 先月中旬の岡山南区にじいろ小児科クリニック(岡山市南区福成)。生後11カ月の次男の接種を終えた母親(36)=同市=が「幼稚園に通う長男もおり、いつ感染するか分からない。家族全員が打てて安心です」と話した。

 クリニックは17日から毎週木曜に定員10人で乳幼児の接種を受け付け、予約は今月末までほぼいっぱい。竹本啓医師(42)は「感染すると子どもは熱性けいれんを起こす場合がある。かかりつけ医と相談して接種するかどうかを判断してほしい」とする。

 県ワクチン対策室によると、県内では先月1日時点で113医療機関が接種に対応。29日までに477人が1回目を終えた。流行「第7波」の拡大で子どもの感染者も増え、同学会は脳症や心筋炎といった小児感染者の重症例報告などから接種を推奨している。

 ただ、ワクチン(米ファイザー製)は3回接種のうち、1回目と2回目は3週間、2回目と3回目は8週間の間隔が必要。乳幼児は多くの定期接種を受ける年代で、インフルエンザ以外のワクチンを打つにはコロナ接種後に原則13日以上空けるよう求められ、日程調節が欠かせない。

 副反応への心配もあり、同市北区の女性(39)は「成長過程の子どもへの影響が心配」と接種に二の足を踏む。「高熱や関節痛がつらかった自分の経験もあり、同じ思いをさせたくない」と言い、4月に感染した長女(2)が一晩の発熱だけで回復した経緯もある。

 県はホームページでワクチンの効果や安全性、副反応の症状などを紹介。24時間体制で乳幼児らの副反応の相談に応じる窓口(0120―245―061)も設けており、県ワクチン対策室は「引き続き正しい情報提供に努める。リスクと恩恵を理解した上で接種を決めてほしい」としている。